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テーマ:高校生ママの日記(9398)
カテゴリ:学校
恵子は、学校の行事で、ダッハウにある収容所に見学に行った。
たぶん、私たちの住む州では、ミュンヘンの郊外にあるこの収容所に見学に行くことが、9年生で義務付けられているのではないかと思う。恵子は、9年生のときに、見学に行っている。 しかし、恵子の今通っている学校では、現在の11年生が9年生のとき、見学しなったので、今年、9年生と一緒に11年生も見学に行くことになったそうだ。だから、恵子みたいに、10年生以降に編入した子は、たいがいもうこの収容所を見学している。 夜、恵子から電話があって、「今日、ダッハウの収容所に行ったのだけど、前回より、もっと衝撃を受けた。」と報告された。ガイドツアーなのだが、今回のガイドは、先生が、一番いいガイドを特別に指名して、恵子たちのグループにつけてくれたのだそうだ。ガイドが指名できるなんてはじめて聞いた。恵子いわく、「今日のガイドさんは、本当にいろいろなことを良く知っていて、すごく詳しく説明してくれた。前回よりも、数倍良かった。」とのことだった。前回は、時間の関係で、収容所内をすべて見ることは出来なかったが、今回は、全部見ることが出来たそうだ。「いろいろ考えさせられた。」と言っていた。ドイツの反ナチ教育はすごく徹底していると思った。 恵子は、「あのね、今日ね、10年生のLちゃんに、来年一緒の部屋になりたい、って言われたの。突然だったから、すごくびっくりしたよ。」とうれしそうに話してくれた。「去年、同じクラブをとっていて、彼女も、学年末に、クラスで一番優秀な子におくられる賞をとったんだよ。本当に、いきなり言われたから、えー・・って感じだったの。」と言った。恵子の学校では、寮は、下級生と上級生で分かれていて、11年生、12年生が同じ寮になる。去年は、恵子は、だれからも声をかけられず、一緒になるつもりだった子は、ほかの子と約束してしまったようで、悲しい思いをしていた。そんなこともあったので、はじめて、誰かから、「一緒の部屋になりたい」といわれて、うれしかったようだ。現在の同室の子は、11年生から編入してきた子。その子に、「Lちゃんに、来年同室になろうって言われた。」と話したら、「えー、私も、また、来年も恵と一緒の部屋になれたらいろいろなことが一緒に出来て、楽しいなーって思っていたのに・・・」と言われたそうだ。恵子は、「どうしよう。どっちと一緒の部屋になればいいかな?」とうれしい悲鳴を上げていた。 そのほかに、今週は、恵子に日本語の通訳を頼んだ男の子が、突然部屋に来て、春のダンスパーティーのパートナーになって、と恵子に言ったのだそうだ。恵子は、「もう、びっくりしたよ。今まで、そんなことなかったから。」とうれしそうな声で話してくれた。クリスマスと、春に、ダンスパーティーがあり、必ず男女ペアで踊らなくてはいけない決まりになっている。もちろん、盛装。かならず、ペアをみつけなくてはいけないので、あまった子同士が組むケースもあり、恵子の場合、今までそうだった。だから、今回、前もって、ペアになろうといわれたことがうれしかったようだ。何度も、「もう、本当に突然で、びっくりして、えー、えーって感じだったの。」と言うので、すごくいじらしく思えた。 恵子は、外見は、地味な感じで、特に人目を引くような子ではない。でも、本当に優しくて、誠実な子だと思う。そういう内面のよさをわかってくれる子が回りにいてくれるようで、ホッとしている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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