ドイツでマルチリンガルを育てる

昨日、夕方、恵子から電話があった。
「すごく疲れた・・・」と言った。月曜日に友達の歌のテストがあり、恵子は伴奏するので、日曜日はお昼過ぎから午後５時までずっと音楽室で練習していたそうだ。４曲も弾くし、テンポが速いので、ものすごく大変だが、なんとか伴奏を弾けるようになった、と言っていた。自身のバイオリンのテストも火曜日にあり、伴奏してくれる人を見つけたので、彼女と午後９時から練習する予定になっている、と言っていた。
本当に心底疲れた声だった。
恵子は、寮の廊下をうろうろしながら電話をしている、と言っていた。
「疲れているなら、なぜ、部屋で休まないの？」と聞いたら、「だって、ルームメートのJの彼氏がいるから、部屋に居づらいし、今電話しているから・・」と言った。「向こうだって、勉強しているわけではなく、二人でしゃべったりしているんでしょ？なんで、恵ちゃんが部屋で電話してはいけないの？そこまで気を使う必要ないんじゃない？　自分の部屋でしょ。」と言ったら、「そうだけど・・・」と黙ってしまった。
恵子たちの学校の寮は、もちろん、女子寮と男子寮に分かれているのだけど、行き来は午後１０時まで自由。全部、二人部屋だけど、ルームメートにかまわず、たいていは、男の子が彼女の部屋に来る。でも、はっきりいって、男の子が部屋に居たら、気が休まらないし、おまけに、カップルでいちゃいちゃされたら、目のやり場に困る。
さすがに、それはおかしいと思い、寮の担当の先生に、メールを書いた。
「自分の部屋でくつろげないのはおかしい。男子が女子の部屋に来るのを禁止してほしい。少なくとも、アビトゥアまでは、禁止にしてほしい。恵子は、友達に悪いと思っているので、自分からは相手にいえない。だから、私がかわって先生におねがいしている。この件は匿名扱いにしてほしい。」という内容。
私には、そこまでドイツ語作文力がないので、賢浩に内容を伝えて、ドイツ語を書いてもらった。しかし、賢浩のドイツ語もいまひとつで、先生宛のメールにふさわしい言葉かどうか心配ではあった。

返事はすぐに来た。「私はあまり寮にいないので、そのことを気にかけたことはなかった。プライベートなことでもあるし、思春期でもあるので、なるべく波風立てないように解決する努力をしたい。」
つまり、禁止にはしない、ということだと思う。日本語でいうところの、「善処します」という返事だった。がっかり・・・
しかし、こういうことを、学校に文句をいうのは、すごく勇気がいる。
とにかく、寮の規則が変だと思うのだが、私以外の親は、なんとも思っていないのだろうか？？？？？