|
テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:学校
Abitur(統一卒業試験)まであと2ヶ月に迫ったのだが、何を勉強していいのかわからない、と恵子は言う。恵子の受験科目は、ドイツ語、英語、ラテン語、数学。
将来は「研究職」につきたいと言っているが、何の研究をしたいのかひとつには絞れていない。「ナノテクノロジー」か「バイオテクノロジー」「バイオエンジニア」という方面に興味があるようで、どんな大学があるかちょっとずつ調べている。 「ナノテクノロジー」の分野では、ドイツではミュンヘン工科大学がトップレベルというレポートを読んだ。恵子に伝えると、「うーん、でも、私の周りには、誰もミュンヘンに行きたいという子はいないよ。」と言った。 近所の人、学校の先生、お医者さん、子どもの友達のお姉さん、お兄さん、両親、など、私たちの周りにいる人のほぼ全員、出身大学はBW州内の大学。私たちが住むBW州は、学校の教育レベルが高いと言われている。フライブルグ、テュービンゲン、カールスルーエ、ハイデルベルグ、コンスタンツ・・・・うちから通える大学はないが、同じ州内の大学なら、下宿したとしても、ミュンヘンやフランクフルトに比べれば、距離的には近い。 ミュンヘンのあるバイエルン州は、隣の州ではあるが、BW州とは住む人の性質がかなり異なるらしい。バイエルンの人たちは、「自分たちが一番」という思想の持ち主で、他州の人を馬鹿にする・・と一般的に思われている。だから、バイエルンの大学には絶対行きたくない、というのが、恵子たちの共通認識のようだ。また、ミュンヘンは家賃が高い、というのも敬遠される理由のひとつ。だから、たとえミュンヘン工科大学がトップレベルであったとしても、カールスルーエ工科大学のほうがいい、と考えるらしい。同じく、国内トップレベルのアーヘン工科大学にいたっては、ほとんど話題にものぼらない。地理的に遠すぎるからだ。どうせ下宿するんだから、どこだって同じじゃないかと思うけど、やはり実家に少しでも近いほうが安心できるのかもしれない。 我が家から一番近い工科大学は、実は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校。 ただ、チューリッヒは、ミュンヘンよりもさらに生活費がかかるそうだ。電話や郵便も「国際」になるので、国内料金よりかかる。スイスはEUではないし、通貨も異なるし、言葉は通じるけど、生活事情がよくわからない。地理的距離は一番近いけれど、情報は一番少ない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年01月06日 14時53分44秒
コメント(0) | コメントを書く |