お気に入りのビール『LUTECE』
イタリアに来てからビールを飲むようになった。日本にいたころは、飲み会で飲む程度だったなぁ。あとは実家で生樽ビールをたまに飲んでいたけど、私はご飯食べながらビールって全然だったなぁ。家で生樽ビール、なんだけど、私にはこれって結構普通のことなんだけど、これって普通の家庭にはないんだよね。父、飲み屋にあるような生ビールサーバーを持っているの。酒関係の仕事をしているもので、生樽ビールが安くてに入るんだよね、社員販売で。生ビールを家庭でいつでも美味しく飲めるだなんて、と夫などは感動。日本に行ったときは毎日のように飲みまくっていたなぁ。私が日本で主に飲んでいたお酒は、ワイン。ソムリエの友達がいたもので。イタリアに来たばかりの頃は張り切っていろいろなワインを飲んでいたけど、ワイン好きじゃない夫と知り合ってからは、もうほとんど飲んでない。たまにランブルスコのサラミーノを食事の共に飲む程度。うちは、こればっかり飲んでる。軽いんだよね、このワイン。甘くて口当たりも良い、実に飲みやすいワイン。ジュースみたいに飲めちゃう。実家の父が、「このワインは昔長野で『葡萄酒』と言って飲んでいたものと同じで美味しい」と言って、いっぱい買って帰っていた。お土産もいつもこれ。好きだって分かってるから、楽で良い。それから、スプマンテ。スプマンテはいろいろ飲む。お気に入りは、何と言ってもブラケット。赤い発砲酒。甘くてまろやかな味。夫はすっかりビール党で、イタリアに来てから夫にいろいろビールを飲まされた。週末飲み屋に通いまくって、普段もスーパーで買ったビールを飲みまくって。日本で飲んでいたビールって、何か水っぽくて好きじゃなかったんだけど、ヨーロッパのビールはコクがあって実に美味しい。だから、私、こちらに来てからビールを飲むようになった。実はイタリアのビールも日本のビールと大して変わらないんだけど、ここはなんせイタリア。ヨーロッパのビールが安く手に入る。そういうわけで、イタリアでビール。私がお気に入りのビール、この間も書いたけど、フランスのLUTECE。「リュテス」、って読むんだろうか、フランス語だと。私はいつもイタリア読みで「ルテス」なんだけど。イタリア人の手にかかると、Leffeもレッフェだからなぁ。日本でレッフェ、って言っても分かってもらえなくて、ベルギーの有名な修道院ビールでLeffeって書く、って言ったら「ああ、レフね」。イタリア読み、大間違い?読み方が分からないので(私はフランス語が大の不得意。イタリアでもフランス語の単語が使われるんだけど------ほら、日本で言う英単語みたいに------、私はいつも思いきりイタリア語読み=ローマ字読みをして、笑われる。笑え笑え、その分あんたたちの英語の読みを笑ってやるから。ドイツ語読みを笑ってやるから)、LUTECEって書いておこう、無難だし。LUTECEはエールタイプ、更に細かく分けると、Biere de Garde(ビエレ・デ・ガルデ、と思い切りイタリア語読み=ローマ字読みな私。夫に読み方教わったけど、忘れちゃった)と呼ばれる北フランス特有の上面醗酵のダブルモルト(って日本語で言うんですか? 確か言わなかったような・・・。とにかく2倍です)の赤ビールの一種。・・・赤、って言わないんだよね、日本では確か。イタリア語だと、ビールの色は3種類に分かれていて、「キアーラ(明るい)」「アンブラータ(琥珀がかった)」「スクーラ(暗い)」もしくはそれぞれ「ビオンダ(金)」「ロッサ(赤)」「ネーラ(黒)」と言う。でもあんまり「黒」とは言わないなぁ。例えばギネス、「黒」と言う人もいるけど、大体「暗い」って言うなぁ。日本では確かこの色分けって、淡色、中等色、濃色、だっけ?そういうわけで、LUTECEは中等色。だけどかなり赤い。普段私は「赤」と言っているので、ここでは「赤」と言う。ラベルに「パリの伝統的なビール」って書いてあるんだけど、LUTECEという名前は、古代ローマ時代、パリの町の名前を差すラテン語に由来しているんだって。ラベルに描いてあるレトロな町の絵も、きっとパリの絵なんだろう。そんなパリのビールなんだけど、実はベルギーで造ってます、LUTECE。ビールって、生まれたのはこの町・国だけど、今は全然違う国で造ってます、ってことあるよね、結構。しかもここはヨーロッパだし。そんなLUTECEの味の方は・・・。モルトとホップに均一感があり、口当たりはデリケートでまろやか。ギネスみたいに、これだ!! って癖のある味じゃないんだけど、何とも上品でかつ味わい豊かな、何か、フランスらしいな、という味(わけ分からないですみません)。これは一度試したら癖になる。あれ、また飲みたいな、って思う。アルコール度数は6.4%。6度くらいに冷やしてお召し上がりください。日本ではまず見付からないと思うけど、ヨーロッパではどの国でも見付かるかもしれない。イタリアの飲み屋に置いてあるのは見掛けたことないけど、大きいスーパーになら売っている。こんなラベルのビールを見かけたら、あ、あれか、と試して見てください。癖になるかも。