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車筆太

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2006年11月29日
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カテゴリ:UMA映画の世界
 つづき。 
 毎度のことながら、ネタバレあり。
 
 UMA映画といえば、そのまんまなタイトルの『U.M.Aレイクプラシッド』があります。モンスターパニックの基本をおさえつつ、コメディ調に仕上げてあって、まずまずのデキ。イカれた婆さんとか、アニマルハンターワニ研究家(勘違い)のキャラを生かし切れてない演出の弱さはあるけれど。
 
 UMAとタイトルの頭につけたり、モンスターにモザイクかけたりの宣伝効果が功を奏したのか、続いて何故か『U.M.A. 2002 レイク・モンスター』として、77年制作の『魔の火山湖 甦えった巨大生物の恐怖』(原題・THE CRATER LAKE MONSTER)をリリース。
 『U.M.Aレイクプラシッド』の続編のようなタイトル、『ジョーズ・アタック』(これも実は中身は80年代の『死海からの脱出』)流用なジャケット、『大門浩探検隊 ツチノコ伝説』と同じくモンスターにモザイクをかけた裏ジャケと、胡散臭さ満点。
 それにしても、モザイク戦略好きだなぁ。
 『魔の火山湖』は輸入盤で既に観てたんですけど、私が借りたのは日本語吹替だったんで、もう一度楽しめました。映像の鮮明さはどっこいどっこい。輸入盤のほうも音声は悪くないです。
 湖底に眠るプレシオサウルスが隕石の落下で目覚めて大暴れする(もしくは隕石の熱で卵が孵化する)B級な内容ながら、意外な人物が無意味に死んで、イヤーな感じで終わる辺りは70年代のソレっぽいかなと。エンディングの音楽も重々しいですしね。ただ、なかなか喰われない強盗犯人の描写だとか、テンポは悪いです。
 さて、本作の最大の売りは特撮。
 デヴィッド・アレン、ジョン・バーグ、デニス・ミューレンに、ランディ・クック、ジム・ダンフォース、フィル・ティペットが協力している。豪華。
 みんな楽しくやってますね。首が短くて太い、ずんぐりとしたコマ撮りのネッシーも良い。砂丘の向うからバーンと登場するところとか、ラストのブルトーザーとの闘いとか、見せ場も満載。
 
 他にも、UMAが付くタイトルの映画はあって、『THE THING 未確認生命体U.M.A.』。
 これが、内容のほとんどを忘れるくらい酷いデキ。モンスターパニックに食傷気味だった頃に観たから、その分、ツマラナかった。
 ネイティブアメリカンの秘宝を奪おうと、考古学者が生徒を連れて研究名目でやって来て、墓を暴いて首尾よく秘宝を手にするも、稚拙なCGの虫型モンスターが「ツタンカーメンの呪い」(ミイラものね)よろしく森の中で襲ってくる話。プレデターばりに消えます。
 参考。
 http://movies2.nytimes.com/gst/movies/movie.html?v_id=259984
 正直、これ読んでも全然思い出せん。
 本作の監督は、『レイク・オブ・ザ・デッド』のジェイ・ウォールフェル。
 タイトルがタイトルだけに『カリブゾンビ ゲシュタポ卍死霊軍団』『ナチスゾンビ 吸血機甲師団』(原題・ZOMBIE LAKE)のようなゾンビものかというと原題が『GHOST LAKE』で肩透かしを喰らいます。
 まぁ、前二作もデキのヒドさで肩透かしを喰らうんですけどね。 

 次は、『暗闇の悪魔』『原子怪獣と裸女』『恐怖のワニ人間』『海獣の霊を呼ぶ女』をTV用にリメイクし、登場する役者がいつも同じだとか(まとめ撮りですな)、P・ブレイズデルによる『呪われた海の怪物』のピンポン目玉のたわし“ムック”怪獣を受け継いだような『呪いの沼』の怪物を筆頭とするヘナチョコ怪物たちで悪名高きラリー・ブキャナンの『怒りの湖底怪獣 ネッシーの大逆襲』です。
 ピンポン玉の眼ではないものの、テカテカのビニール張りで、首から下がないという相変わらずの低予算ぶり。
 実物大の頭部は首だって曲がりゃしない。それでも、真昼間から鼻息荒く森の中を闊歩するんで、唖然とします。
 
 内容は、ボンクラに卵を奪われたネッシーが怒り狂い、無関係の人達にも襲いかかる親子愛の映画。
 プロローグから飛ばします。ドイツの爆撃機を城の望遠鏡から俯瞰する(!)シーンと湖に浮かぶネッシーが沈んでいくのを望遠鏡で見るシーンの組み合わせが、シュールすぎてたまりません。
 冒頭からガブガブ喰い散らかしてるんですが、予算がないため、卵ドロボーが逃げない設定なんで、さらに犠牲者続出。
 ネス湖に野外学習に来ていたSEXしか頭にない学生を敵の攻撃と勘違いした電波系オヤジがカップルに襲いかかるも、逆に殺され、カップルも当然ネッシーに喰われるという大惨事も。
 結局、卵ドロボーのオッサンは頭から喰われちゃいます。可動部分が少ないため、自ら頭を差し出す様は、エド・ウッド『怪物の花嫁』での巨大タコとの格闘を思い起こします。因みに、このタコ、作中ではネッシーの正体ということになっています。
 そんなこんなで、最後はネッシーとは無関係な、ブキャナン得意の陰謀論を強引にブチ込んで終了。
 ノーテンキさと陰惨さが同居する感覚、訳のワカラン展開、編集のヘタさ、モンスターのヘッポコ加減、これぞブキャナン節ナリ。

 興奮して長々と書いてしまったので、さらにつづく・・・。







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最終更新日  2006年11月29日 23時50分39秒
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