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カテゴリ:書籍
変人を見るのは面白い。
当人と関わるとなるとそれこそ大変だろうけれど、離れて見ている分には問題ない。隣の奇人変人ではなく、遠方の奇人変人を。 ということでジェイ・ロバート・ナッシュ『世界変人型録』を読む。 変人の定義とは? 本書のそでには奇人憲章として次の一文が加えられている。 一つ、腹ペコのまま学校に行かぬ事。 一つ、天気のいい日に布団を干す事。 一つ、道を歩く時には車に気を付ける事。 一つ、他人の力を頼りにしない事。 一つ、土の上を裸足で走り回って遊ぶ事。 いや、冗談。 ホントは。 1.奇人は、尊敬されることこそないが、どこか人々に愛され、畏怖される人間でなければならない。 1.奇人は、生涯、奇人であらねばならない。 1.奇人にとっては、奇行が日常であらねばならない。いっときの思いつきや突飛な行動は、たんなる一過性の気まぐれに過ぎない。 1.奇人は、その行為によって、社会に何らかの強い衝撃を与えねばならない。 1.奇人は、その行為を、つくりものではない自然体の中で完遂せねばならない。 この憲章に則って、なるほど多くの奇人が集められている。と言いたい所だが、意外と「いっときの思いつきや突飛な行動」で「たんなる一過性の気まぐれに過ぎない」のではないかと首を傾げたくなるような人物も紹介されてます。そんな穴埋め的な人物もいるものの、大概は奇人変人といって通る人物達ばかりとは言えるでしょう。 さて、本書、<波乱万丈><空前絶後><徹頭徹尾><奇奇怪怪><荒唐無稽>と五つに章分けされているんで、その中から気に入った奇人を一人づつ選んでみましょう。 <波乱万丈> アメリカ合衆国・初代皇帝(笑) 記念すべき巻頭を飾る一人目から攻めてきますねぇ。 この本を説明するのに、このジョシュア・A・ノートンを挙げると分かり易いかもしれません。 説明の手間も省けますし、何よりインパクトがね。 日本でなら熊沢寛道を思い出すかも。両人とも興味深く、周囲との関係も含めて考察の余地は多分にあると思います。 ところで、この本を読んでから少し間が空いてるんですけど、本書を説明した人の中には「アメリカ合衆国・初代皇帝」と言ったら、「へぇ」と感心する人もいまして、正直困惑。 <空前絶後> この章はどの人も味があって選定が難しい。 メジャーどころよりはややマイナーな奇人を。 1969年、オーストラリア西部の小麦の割当てが大幅に削られたとき、これに抗議運動を起こした農夫レナード・ケイズリーは、翌年、「私の18500acの農地は、オーストラリア政府に属するものではない」と公式に宣言、人口20人ほどの「ハット・リバー国」は独立した。 独立国としての活動は、国連にオブザーバー国として承認するように要請したり、独自の通貨や切手を制定したり、無免許で酒の販売をして罰金を科され、渋々払ったものの「侵略行為」と憤ってみたり、精力的で忙しない。 公式HPもあるので、気になる方はどうぞ。 http://www.huttriver.net/ 何かと忙しいので、今日はこの辺でつづく・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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