シーカヤック山陰ツーリング: 荒磯温泉(1)
13日は有給休暇をとり、山陰に漕ぎに行く事にした。特に目的地は決めておらず、益田市から浜田市の間くらいでロケハンも兼ねてのソロパドリングツアー。木曜日の夜に家を出て、漁港で仮眠。 朝5時に起きてみると、北風がびゅーびゅー吹いていた。前日の天気予報では、晴れて波も穏やかになるはずだったのだが、曇りで北風が強い。国道9号線を海を見ながら走り、どこでフネを出そうか考えていたら、『荒磯温泉』の看板が出ていた。この『荒磯温泉』には、17、8年前にドライブがてら来た事があるが、その当時はシーカヤックをやっていなかったこともあり、浜があったかどうかの記憶も定かでない。でも標識には、土田海水浴場の矢印もあり、出せそうかどうか見に行ってみる事にした。9号線から少し入ったところに、その『土田海水浴場』があった。駐車場と芝生の広場、東屋があり、きれいで整った浜。白い砂浜と日本海。看板を読んでみると、ここではキャンプもできるようだ。平日なので人もおらず、とても静かななかに、波の音だけが響いている。この、こじんまりと整ったきれいな浜に、一目惚れしてしまった。今日はここ! すぐそばには温泉もあるし、平日でだれも居ないこの浜を、独り占めだー。とはいえ、相変わらず北風が強く、目の前の海では、そこそこ大きな波がサーフとなって打ち寄せている。 これではとても出られない。浜を散歩しているおじさんに話しかけられ、風待ちをしていることを話すと、予報では波は収まるといっていること、荒磯温泉は11時から入れる事などを教えてくれた。漁港を散歩をしたりして時間をつぶし、11時には温泉に。前来た時は、急坂の狭い道を降りて温泉宿に行き、立ち寄りで入らせてもらった覚えがあるのだが、今は広いきれいな道ができていた。600円払って、浴場へ。 ここでも平日効果で、だれもいなかった。 波が打ち寄せる海を眺めながら、のんびりと湯につかる。昔来た時は、もっと鄙びた感じの温泉だった。 その時は、風呂場に一匹のフナムシが歩いていて、海辺の温泉らしいな、と感じた事を思い出す。昼になったので、浜の近くにある、一見の喫茶店風の店に行ってみた。ドアを開けると、いきなり一匹のミニチュアダックスが店の奥から飛び出してきて、足に噛み付かれた!店の人が慌てて出てきて、犬を抑えにかかる。私はといえば、いつも手に持っている、黄色い”ミニペリケース”で、はだしにビーサンという無防備な足を防御。店の人から、大丈夫ですか、と聞かれたので見てみると、くるぶしに犬の歯形がくっきりとついていた。 小さいのに、元気のよいヤツだ。ぜんぜん大丈夫ですと応えるが、一応と、スプレー式の消毒液と絆創膏をくれた。焼き肉定食を食べながら、その店のおばさんと話し、この浜は数年前にきれいにしたもので、夏にはキャンプや海水浴で賑わう事、荒磯温泉も特に夏には人が多い事などを聞く。食べ終えたので店を出ようとすると、サービスだと言ってアイスコーヒーを付けてくれた。少し、サーフも小さくなったようなので、フネを出してみる事にした。テトラの入っている港の出口まではなんともなかったのだが、テトラを過ぎて沖に漕ぎ出そうとすると、結構な波がある。 それも、一定のうねりではなく、左右からランダムに攻め込んでくるいやらしい波だ。結局、すぐにあきらめて浜にUターン。 まあ、風と波には勝てません。着替えてもまだまだ日が高い。 暇つぶしも兼ねて、夕食の仕入れのために益田市の中心部まで車ででかけることとした。スーパーで刺身とビールを仕入れ、浜に戻る。気持ちのよい芝生の上にテントを張り、缶ビールを『プシュ』、『グビグビ』、『プハー』(今回、最初の1本は発泡酒ではありません! 久し振りに本当のビール)。この浜は、西向き。 日本海に沈む夕日を眺めながら、刺身とビール、レトルトカレーの夕食。今日は、ほとんど漕げなかったけれど、こんなに良い景色の浜を独り占めし、おいしい刺身とビールがあるのだから、幸せ幸せ。 なにも言う事はありません。夜に車を走らせ、車中泊での疲れもあり、8時頃には寝てしまった。明日は、波が治まりますように!