叶わぬ夢
馳星周さんの『雨降る森の犬』を読み終えました。直木賞を受賞した『少年と犬』より前の作品だそうですが父親を亡くし、母親と不仲になった女子中学生・雨音は蓼科に住む叔父と暮らすことになり、その叔父の飼い犬ワルテルややはり家族との葛藤を抱える隣人正樹と様々な経験を経て成長していく…『少年と犬』はハードボイルドなオムニバス形式の話だったため、続きが気になってサクサク読んでしまう小説だったけれど、長編小説の本作は前半読み進めるのにけっこうダラダラしてしまいましたが…雨音と正樹が後に登山にハマるきっかけとなる蓼科山へ登るところから俄然盛り上がるそこからは一気にラストまで読み通してしまうことも出来たものの…ラストが近付くにつれてまた読むペースがスローダウンそう寿命が約10年というバーニーズマウンテンドッグのワルテルの最期が…わかってはいてもそのシーンを読むのが悲し過ぎてページをめくる手がどれだけゆっくりになることか。。。いずれにしても登山と犬がテーマの小説ってずるいなあ。面白くないわけないですもん。読み終えて思ったのは「あーそういえばまだ蓼科山登ったことないなあ。」と「やっぱり犬飼いたい!」って猛烈に思いますシェリーが逝ってもう二年以上経っても思い出さない日はないけれど、同時にまた犬飼いたい!とも年がら年中思う…一人暮らしで不規則な勤務で経済的な余裕もない僕がまた犬を飼えるなんて叶わぬ夢だよなあ。。。わかっていながらも次飼うならミニチュアダックスか、コーギーかボーダーコリーか、いややっぱりシェルティーか…その候補にバーニーズマウンテンドッグも加わって…そんなふうに犬のいる生活を妄想してるだけでもちょっと幸せな気持ちになったりします