はやぶさ新八御用帳 (八)根津権現 平由岩弓枝 を、紐解く
女流作家の中で,平岩弓枝は、筆力のもっとも強い一人でも,あろうが,今回は,暗い話が,並んだ.もちろん,御用帳といって、私設取り調べ係り(詳しい役付きは,忘れたが)隼新八は、事件に絡んで普通は,活躍するのですが,今回は,事件が,起こって,さらに事件が,また起こる時に,鬼平のように,都合よく,事件の糸口が,見つかって、事前に,解決するというよりも,わかっているんだが,助けられないという,そんな、印象であった.そのご、さすがに,江戸での,事件では,思いつかなくなったか,東海道を,旅しながら,事件を,解決するという,方向に,小説の題名も,設定も,変わっていくらしいが,鯉という、女性と,小貫という女性も,あまり活躍もしない.ことに、老武士という、題の,編は,どこか現代の,荒れた若者が,テーマっぽくて、どうも、読み手である自分自身がノラナイせいかいまいちのところがあった.親子や,姑,お妾,弟子,と、描かれていたが,一編を,あげるとすると、『秋風の,門』が、一番よかったろうか.それでも、若者よりも,牛久藩の、藩のために,外から,養子を,貰うと決めた,原因が,藩の,財政赤字が,原因で,やはり,現代に通じるところも出てくる.いまなら、経済援助を,貰うために,軍事基地に,土地を,貸すとか,牛肉を,無理やり,輸入再開してしまうとか,結局,永いものには,巻かれるって、いうのが,浅い結論でしょうか.日本映画の観客が,増えたらしい,たそがれ静ベイの、次の次に、この辺の,作品を,取り上げないだろうか.