カテゴリ:わかりやすい認知行動療法シリーズ
では前回のおさらいをしておきましょう。
「承認中毒」「愛情飢餓」「仕事勉強中毒(価値依存)」の3要素には、公式がありました。 1私は他人から承認してもらえる。 2私は愛情を手に入れている。 3私は仕事で成功している。 ★だから、私は私には価値があるはずなんだ!そうに決まっている! そして3パターンは全て、自分以外の要素に依存していたのです!
このからくりに気付いて改善できれば、承認中毒・愛情依存・仕事中毒(価値依存)は同時に解消へと向かっていくことでしょう! 3つのパターンのからくりを打ち破る為には、完ぺき主義から抜け出ることがとても効果的です。言い換えると 「まあまあであること。」 「中くらいであること。」 これが完ぺき主義から抜け出るポイントとなります。もちろんあなたは目標が低いからダメだと感じて、嫌悪感を覚えるかもしれません。ところが実際に「まあまあ」にふるまってみると、 1.意外とまあまあにできないこと 2.なぜか普段以上に満足できて、成果もあがりやすいこと に気付くことでしょう。あなたには完ぺき主義を克服して、本当の喜びの成果を味わってもらいたいと思います。 ※心理学における「タイプA、B理論」があります。提唱者はフリードマンらです。興味のある人は調べてみるといいでしょう。 「完ぺき」は人間の究極的な幻想です。この世で一番の誘惑かもしれません。富を手に入れされ、困難から解放してくれそうな気もするでしょう。しかし、あなたが完ぺきを求めて努力するほど、あなたは失望していくことでしょう。あなたも私も不完全な人間ですし、この世もそんな人間が作り上げた発展途上の環境なのですから。 完ぺき主義を克服するにあたってまず必要なのは、この方法を続けていこうとするあなたの気持ちを高めることです。動機付けを効果的にするには、完ぺき主義者であることの利益と不利益を表に列挙して、比較してみるといいでしょう。実際に自分の不利益を、自分自身の姿勢が生んでいることにあなたは驚くことでしょう。 【比較の一例】 <完ぺき主義的考え> 素晴らしい仕事を生み出し、絶対に良い結果にしようと一生懸命がんばる <完ぺき主義が生み出す害悪> 1.考えや姿勢がかたくなって柔軟性を失ってしまい、良い結果を出す為に神経質になりすぎてしまう。 2.良い結果に到達するために必要である間違いを必要以上におそれ、危険を避けて挑戦から逃げてしまう。 3.いつも自分に批判的になってしまう。自分の成功を喜べず、人生がつまらなくなりがち。 4.いつもリラックスできない緊張状態に陥る。その結果、疲労が強まったり不眠傾向が起きがちになる。 5.不完全な人間である以上、基本的にいつも不安だったり落ち込んだりしがちになってしまう。 6.他人を許せなくなる。人間は本当は誰でも批判されることが嫌いなのだ。それでも批判を行えば友人等を失い、人を思いやる気持ち、人を好きになる能力も消えていくことだろう。 7.必要な挑戦、リスクを請け負うこと等から逃げてしまい、欲しい成果を得られなかったり、自分の世界が狭くなったりする。 8.現実世界はあいまいであり、バランス感覚が鋭い方が正確に捉えられるものだが、観点や考え方が偏ってしまい、事実から遠のいてしまう。その結果、冷静さや客観性からも遠のいてしまう。 完ぺき主義を克服する別の方法は、恐怖と対決することです。完ぺき主義の根っこには恐怖があるのです。恐怖は、ものごとを徹底的に磨き上げようとするあなたの動機をかりたてます。完ぺき主義を止めようとしたとき、大きな恐怖や不安があなたを襲うかもしれません。ですが、その実行のごほうびとして、完ぺき主義が生み出すさまざまな害悪から、あなたは脱出することができるのです。 実はあなたが完ぺき主義を抜け出ることが恐くて仕方がない場合。そんなあなたには今まで「あなたのことを大切にせず、一方的に完ぺきなふるまいを要求し続けてきた人たち」がいませんでしたか? それはもしかしたら「毒親たち」なのかもしれません。本当に怖いでしょう。でも毒親たちの存在と影響を認め、それでもこのあとに紹介する工夫を実行し続けるならば、必ずあなたにも自信と自立の気持ちが育っていくことでしょう。 恐怖を乗り越えるためには、あなたの完ぺき主義関連の自動思考を明確にし、それに対して現実的な反論を繰り返すことです。(毎度おなじみダブルカラム法でございます) 怖いかもしれませんが、あなたがそれに耐えて反論を続け、不快感にも耐え忍ぶことができれば、自分の恐怖を乗り越えることができるようになるでしょう。なぜなら、恐怖は本来幻想なのですから。苦労性の悩める人から、勇者へと変身する際のスッキリ感は、人生への確信に満ちたより強いアプローチの出発となります。 (話題を一時就職活動に移しますが、あなたが就職を希望する際は「必ずその職を得る!」と決め付けないほうがよいのです。特に、その職業が是非とも欲しい場合はなおさらです。最終的に、結果とは様々な原因によってもたらされます。例えばあなたが完璧だとしても、競争相手も完璧な上にコネもある場合、あなたは採用されないわけです。一発必中!は非現実的です。むしろ自分の最善を常に出し続け、結果を何としても出すという姿勢から抜け出るほうが、かえって効果的な対応ができるのです。 ※例えばキー局アナウンサー、超一流商社等の超難関職を本気で志望する人間は、1社のみ応募するなど殆どありません。) あなたがひとつのことにのめりこみすぎるタイプならば、朝一日のスケジュールを決めるときに、各活動ごとの時間配分を行いましょう。例えばギターの練習を行うならば、その日は2時間まで!と決めてしまうのです。 あなたはなぜ間違えることを必要以上に恐れるのでしょうか?その源の考えのひとつが、「ひとつ間違えるとそれが影響して、やがて全て駄目になるに違いない。(結論の飛躍)」なのです。ですが、間違うことは良い面もあるのです。間違いから反省して学び、成長できるからです。そもそも、不完全な人間である私たちは、誰も間違えないことはできないのです。 間違いを認め、そこから学べば、現実的な行動も改められる。原因が変われば、結果も変わってくる。あなたは間違えた結果、逆に成長したり幸せになったりできる可能性が高いのです。 間違いを恐れすぎることは、挑戦できなくしてしまいます。いろいろと試して挑んでみること(試行錯誤)は成長上、あるいはビジネスの新しい価値を創造するときに必要となりがちですが、それらが出来なくなってしまうのです。 大部分の人(相手が完ぺき主義者では諦めるしかありませんが...)は、我々が間違いを犯したからといって、あなたを(そんなに)嫌ったりはしないのです。そして実は完璧にこなす(こなそうとする)人のほうが、多くの人から毛嫌いされてしまうものです。皮肉なものです。 もちろん単純ミスなどを数多く繰り返し、あなたもそれを減らそうと努力しなければ、職場などではあなたは嫌われていくかもしれませんが。 それでもあなたは自力では直せないと強く感じるかもしれません。「弱点は必ず自力のみで直さねばならない!」という考え。それは一体何主義でしょうか?(笑) 自力のみでは直しづらい完ぺき主義的思考があったら、それを信頼できる人に告白して一緒に修正する作業をすることもひとつの方法ですね。私のようなプロのカウンセラーでも大丈夫ですが、あなたが信頼していて「能力もある」と感じられる人ならばよいでしょう。(この人の存在を一般的に「メンター」と読んだりします) 【まとめ】 自分自身で価値を感じられない人。それは他人に頼りすぎている人でした。その原因の1つは、完ぺき主義にとらわれているからでしたね。完ぺき主義から抜け出るために、恐怖と向き合い、自分自身を優しく応援しながら、効果的な工夫(ダブルカラム法他)を行い続けましょう。まあまあのペースでよいのです 次の「シリーズ15」に続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.10.25 12:20:44
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