カテゴリ:わかりやすい認知行動療法シリーズ
まず前回のおさらいをしておきましょう。
自分自身で価値を感じられない人。それは他人に頼りすぎている人でしたね。その原因の1つは、完ぺき主義にとらわれているからでしたね。完ぺき主義から抜け出るために、恐怖と向き合い、自分自身を優しく応援しながら、マイペースで認知行動療法などの工夫を続けることが大切でした。 芸人の原西孝幸さん(FUJIWARA)のギャグに「生きる!」があります。めちゃくちゃ毅然と「生きる!」と言い放つギャグです。閑話休題、今回は最終的な勝利である「生きる選択をする」ことについて解説していきましょう。 「死にたい」という願望は、ある程度重いうつ病においてはよく見られる症状です。事実日本でも近年は年間2万人超の方が自殺を選択してしまいます。 ですが!まず我々は自殺する必要などないのです。認知行動療法を活用すれば確実に症状は良くなります。特に治療開始の1週間から2週間の間に、日常生活上でも良い変化が現れることが殆どです。 もしもあなたの今の気分がどんなに悪くても、ものごとは最終的によくなっていくという確信さえもっていれば、耐えられるものなのです。自殺が問題解決のたった1つの方法だと思い込むあなたの考えは間違っているのです! もしもあなたが本当に死にたいと感じているならば、まずそれが「能動的な理由」なのか「受動的的理由」なのか、本音を見つめてみましょう。 先に受動的な例を挙げます。ベッドの上で「このままいっそのこと神様が自分を安らかに死なせてくれたらいいのに。。。」などと後ろ向きに考えます。 しかし、能動的であればかなり危険です。「完全に絶望したし、良くなることも絶対にない。自分で死ぬしかない!」という類の思考法をする場合ですが、覚えておいて下さい。絶望感は十分に治療を受けるべきである!という非常ベルにすぎないのです。 実はうつ病とは、人間(生物)が生命の危機を感じたときに対応する「防衛対応」の一種なのです。そもそも「安全に生きるために! このままではまずいぞ!」という反応なのです。 1.重症のうつ病で絶望感がある。 2.以前に自殺を図ったことがある。 3.自殺についての綿密な計画を準備した。 4.自分を引き止める何の方法も見当たらない。 これら項目の1つにでも当てはまったら、必ず専門家の援助を受けましょう。 自殺患者ほとんど全てに共通しているのは、非論理的な絶望感をもち、自分は解決不可能な大ピンチに直面していると思い込むことです。ところが、一度自分の考え方のゆがみを専門家などの他者に告白すると、かなりの精神的な開放感が得られるはずです。このことはあなたに生きる希望を与えてくれ、危険な自殺への試みをそらしてくれることでしょう。 ここからは、あなたが基本的に元気だと仮定します。そして、今後うつ病を招きやすい考え方を改善するために書いていきたいと思います。確かにうつ病という病気が考え方の幅を狭めるのは間違いありません。ですが、あなたの経験の幅が狭いがために、考え方が狭まる面もあるのです。その幅を広げるのは、挑戦(多様な経験)だといえます。 これから私の生い立ちの一部を告白しましょう。私は非常に考え方のかたった人たちに育てられました。また身近な人たちが精神的問題を抱えていました。食べる物に困ることはありませんでしたが、「心貧乏」でしたし、不幸だと強く感じていました。 やがて私は自分を救い、助けてくれる一番の人物は自分自身だということに気付きます。私の場合は、國分康孝先生をはじめとする心理学者たちの本や教えがヒントになりました。そして私は自分の力で問題に対応する人間へと、少しずつ生まれ変わっていきました。 1.東京から鹿児島まで自転車で走破する。 2.いろいろな職業を試してみる。 3.好きな人にだめもとで告白してみる。 4.家を出てみる。 5.つきあう友人を変えてみる。 6.自己分析などで自分自身を深く見つめてみる。 7.尊敬できるいろいろな人たちをマネしてみる。 8.薬局50店舗ぐらいでわざと「私はセックスが大好きなのですが、極うすのコンドームを紹介してくれませんか?」と自己主張する。(CBTの恥かき療法) 9.十数箇所の駅前でアカペラかつ大声で歌を歌ってまわる。(これもCBTの恥かき療法) 10.女性経験が無いから告白が失敗するんだ!と童貞を風俗嬢で捨ててみる。 11.資格の取得に励み、それを仕事やボランティアで活用してみる。 正直、書ききれないほどの挑戦を僕はしてきました。そうでもしないと、ゆがんだ育てられ方をしてきた私を変えられないと思ったです。 そんなある日、私は父親に「どうして私を父親として教育しなかったのか!?」と詰め寄りました。すると父親は「そんなことは大学で教えてもらうものだ!」と言い返しました。そんな家に私は育ちました。だから、親以外の人から教えてもらいながら、自分で自分自身を育てる選択をしたのでした。 僕は以前この文章を書いたときに、少し悲しい気持ちになりました。でも今は懐かしい気持ちにもなっていて、思い出し笑いなどをしています。そして告白します。絶望や自殺願望は全くないのです。かつて弱いながらも自殺願望をもっていて、ネガティブな自動思考をしてしまう人間だった私がです。 確かに認知行動療法の活用によっても人生は好転します。しかし、人は人生経験(行動)を通じて、大いに自己変革できることを伝えたいのです。これによっても自分の自動思考を大幅に修正できることが多々あります。考えることが苦手・嫌いな人間は、認知療法よりも、経験の幅を広げる方法のほうが良い場合もあります。 【まとめ】 あなたは死ぬ必要など一切ないのです。そして自分なりの幸せをそのうち見つけることができるのです。その際、専門家による支援がとても役立ちます。また認知行動療法の実践が非常に有効です。さらに、多様な経験を積んで視野を広げることも有効な方法なのです。あなたに合う方法が複数存在する可能性はとても高いのです。あなたも私も発展途上です。成長し続け、共に幸せになりましょう。 次の「シリーズ16」に続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.10.25 12:40:44
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