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カテゴリ:本
夜と霧―ドイツ強制収容所の体験記録
1985 みすず書房 V.E.フランクル, 霜山 徳爾 レビューとは批評記事、文芸・芸能などに関する評論、論評 という意味らしい。 帯に〈評する言葉もないほどの感動〉とあるように私などに この名著を批評する言葉はありません。 ただ改めてご紹介したかった・・・ 心理学者である著者自らが経験した強制収容所の体験記録。 収容所の悲惨さを表現した本や映画は沢山ありますが、現実より むしろ体験に重点を置いている事、それらを淡々と綴っている ことで尚更胸に響いてきます。 著者は心理学的な試みと言っていますが、哲学的な示唆に溢れて います。 「強制収容所の囚人の存在は「期限なき仮の状態」と定義され、 終わり即ち目標がない事で、将来に向かって存在する事が 出来なくなってしまう。」 「未来や未来の目的に目を向けさせる事が内的に一層効果を持つ。」 「人間は本来ただ未来の視点からのみ存在し得る。」 私が個人的に一番印象に残っているのは、 「人生から何を期待できるかではなく、 人生が何を期待しているかである。」 という文です。 求める側ではなく答え立場にいることを意識していないと いけないんですよね。 凄惨な地獄から解放された人は幸運だと思っていることだろう と思っていましたが・・・・・ 「考えられる限りの苦悩の深い底に達したと思っていた」人間が 解放後に 「苦悩というものが底無しのものであり、何ら絶対的な奥底がない ものが判ったのである。 そしてもっともっと深く下って行くのを見るのである。」 という箇所では心が凍りつきました。 人間の本質・・・・・極限状態で内的、精神の自由を持ち続ける偉大さ と悲惨さを記した一冊です。 最近のいじめで自殺等のニュースの多さには心が痛みます。 今、地獄を感じている人にもきっと力になる名著だと思います。 若い人にも読んで欲しい!! (俺はいつから年寄りになったんだ? 笑) 文体、表記が難しすぎる! 新訳版もあるみたいですのでそちらの方がいいかも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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