言葉の花束

久しぶりだね。

写真だけど、
この部屋に来てくれてありがとう。

１８年くらいあっていないけど
私の大切な、妹のような存在だった。

豪快に見えるけど
繊細で
でも、よく笑ったねぇ。

５年間も、大切に「ガン」を持っていたなんて。
あなたらしいな。

末期がんのあなたには
「病気を知る権利がある」と告知を勧める看護師さんを
ご家族は、隠し通してくださいと。

私も、あなたの本当の姉だったら、
絶対にそうした。

あなたは繊細で、そして、最後の最後まで
「治って家に帰るの。友人の家に遊びに行くの」
それが口癖だった。
それなのに
「お願いだから、友達はよばないで」と
懇願していたそうね。

私だって、見られたくない。
やつれた体。

もうすぐ、もう一人の妹のような子が
美しいドレスにつつまれて
この街を去っていきます。

今年のクリスマスは
少しくらい
この家にも、きてくれるよね。

では、おやすみなさい。

あなたの友人のひとりより