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DJ Kennedy/life is damn groovy

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January 24, 2010
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テーマ:結婚(622)
カテゴリ:Soft Sunday



I Think I'm Falling In Love / Leroy Hutson



愛を伝える方法は数え切れない。

昨日、思わず噴出してしまうようなコラムを読んだ。
長野県嬬恋村の「愛妻Hug」イベントが中止になったというものだ。

今月31日の「愛妻の日」(誰が決めたのだろう?)、Hugに因んで
午後8(ハ)時9(グ)分に夫婦が抱き合うという、「それで?」とその後に
オチを求めてしまいそうな、ちょっと緩めのアイディアのようだった。

参加ゼロの理由はあまりにストレート。「申し込みがゼロ」だからだそう。
一瞬抱き合うだけの為に、どこの夫婦が寒い空の下まで出向いて
行くだろう、という「ゼロ」に続く言葉が誰にでも想像できてしまう。

そもそもこの企画は、同じ嬬恋で人気を博した「キャベツ畑の中心で
愛をさけぶ」通称「キャべチュー」という、あの有名なロマンスに肖った?
イベントに乗じて考案されたもので、「愛妻家の聖地」と称される嬬恋に
新風を巻き込む予定だったのだろうが、残念な結果になってしまった。

けれど、この愛妻Hugにしてもキャべチューにしても、私はなかなか
気に入ったのだ。配偶者というのは、(一応)自分のこれからの人生を
ずっと一緒に歩いて行く相手としてたったひとり選んだ人なのだから、
その人にいつまでも愛を伝え続けようという気持ちは大切にしていて
幸せが増えることはあっても減ることはないはずだ。



友人のAmberとDavidは出会ってから11年、周りはもうとっくに二人が
結婚していてもおかしくないのにとヤキモキしており、Amberもまた、
ここ数年彼からの約束を待っていた。が、彼は自分のデザイン事務所を
立ち上げたばかりで、毎夜遅くまでの仕事に追われており、結婚を
考える余裕を失くしていた。でも彼は彼なりに彼女を大切にしていた
つもりで、彼の苦労を一切彼女に話はしなかった。

一方、共に生きていくとばかり思っていたDavidが、彼の苦難の全てを
一人で背負い、彼女に少しもシェアを求めないことに落胆したAmberは、
彼は自分を生涯のパートナーとして考えていない、それだけの信頼を
自分は得ていない、それでは自分も幸せになれない。そう考えて、翌日
彼に別れ話をする為に会う約束をした。

けれど、彼は新しいクライアントとの急なミーティングが入り、会えない
どころか電話すらしなかった。Amberはいよいよ二人の終わりを察知して
留守電にメッセージを入れ、彼への愛は真剣だった、けれど互いの思い
の比率がEvenでなければ結婚などは不可能。彼の心からのI Love You
が欲しかった。忘れられるか不安だけれど努力をする、そして彼の成功と
幸せを祈ると告げて電話を切った。

2日経っても3日経ってもDavidからの連絡はなく、Amberは夕方、仲間を
食事に誘い、私達は彼女を慰める為集まった。その夜は、深夜2時まで
4人でワインを3本空け、今夜はAmberを独りにしない方が良いという話で
彼女を私のアパートメントに連れて帰った。彼女はドアを開けるなりソファに
崩れ落ちてそのまま眠ってしまった。

翌日、昼近くに私は昨日留守電に残されたメッセージを確認していると、
4件入っていたうちの2件がDavidからのものだった。

「Amberと話したいけど、彼女が電話を返してくれない。会ったら伝えて」

私は、まだ眠っているAmberより先にDavidに電話をした。これ以上Amber
が傷つくのは良くない。とにかく彼の話を聞いて、一言言ってやらないと。

けれども、彼はちゃんと彼女を愛していた。忙しさにかまけていたのは真実
でも、彼がこれからの全ての時間を共に過ごしていくのはAmberしかいないと
私は聞かされた。「それ、私じゃなくて彼女に話してあげてよ」すると彼は、

「分かってる。悪いんだけど、再来週の日曜、彼女を誘い出してくれない?」
「自分で言いなよ」
「いいから、頼むよ。でも今僕が言ったことは彼女に伝えなくていい。自分で
ちゃんと話すから」

仕方なく私は承諾し、「何を今更」と怪訝そうにしながらも彼にようやく会える
喜びをうっすら浮かべる彼女の瞳に、二人の未来を見た気がした。


2週間後の日曜はよく晴れて、New Jerseyの彼の指定したグラウンドまで
私が彼女を連れて行った。

約束、と言ってもこの時点で私しか知らないのだが、約束の11時5分。
プルプルと音を立てて小さな飛行機が視界に入り、ゆっくり時間を掛けて
一文字一文字を描き始めた。

「Daveのメッセージよ、よく見てるのよ」

Amberは両腕を抱きしめるように組み、じっと大空を見つめていると、徐々に
小さい点が言葉を作って行く。

”WILL YOU"

もう、彼女は大きな瞳に涙をいっぱいため、両手を雲ひとつない青空へ向かって
振りながら声の限りに叫んだ。

”Yes, Yes, Dave! I Will!"

やがて出来上がった言葉は勿論、

”WILL YOU MARRY ME, AMBER? I LOVE YOU!"
(「アンバー、結婚してください。愛してるよ」)

私はその場にAmberを残して先に帰って来た。それから4ヶ月後、彼等は
結婚した。勿論今も彼等は幸せに暮らしている。


           31.jpg


相手の愛を信じていないわけではない。心の中を疑っているわけではない。
けれど信じる心にやがて慣れが生じれば、愛は冷めていなくてもそれを
感じられなくなる日がきっと来る。その為に人は、愛の言葉を持つのだ。
極寒のHugはさておき、時々は互いの声で愛を温め直すのもとても大切。

              
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Last updated  January 25, 2010 12:27:43 AM
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