Soft Sunday:Fresh Helper

March 7, 2010

カテゴリ：Soft Sunday

我がセバスチャンのおなかにはKidney Stonesが潜んでおり、過密なスケジュールから来る
疲労やストレスで6フィート2インチの巨体が突然七転八倒することがある。

NYでも一度は手術をするような大事になり、けれども自己管理能力に乏しい彼は今も、深夜
帰宅するなり自ら持ち帰ったケイクだアイスクリームだと、女子高生のように喜んで食べる。

先日遂にドクターより、「要食事療法」を言い渡され、ネットサーフで得た情報から、どうやら
オレンジを頻繁に摂取することでStonesの溶解が期待できるということが分かった。
食事制限という苦しみ？を与えるよりも楽しく治癒させる為の秘策。これは良い。

そこで、オレンジの中でも栄養価が高いとされるブラッド・オレンジをオーダーした。素直な
気持ちを言えば、日本でも産地直送のお野菜や果物が美味しいように、やはりNYにいて
楽に手に入るフロリダやメキシコ産が美味しいと思ったのだが、それでも毎日食卓に上る
ネイバルなどとは違ったテイストに、久々NYの朝を思い出して大いに食も会話も進んだ。
ジュースもブラッドオレンジにして、Vitamin Cたっぷりのブランチとなった。

Blood Orange.
その名のとおり、血のように赤い果肉をもつ。ポリフェノールの一種アントシアニンが多く
含まれる為で、抗酸化作用の強い味方、また鉄分も豊富なことから極度の貧血＝私にも
ありがたいフルーツ。

　　　　　　

昨日セバスチャンが、近くのホテルに入っているベイカリィ（パンもケイクも美味しい）から2種類の
パンを買ってきた。ひとつは写真の「エスカルゴのパン」。風味も食感も申し分ないPastoソースの
利いた美味しいバンズ。そしてもうひとつは、これは写真にしても面白くないので掲載しなかった
けれども、このベイカリィで日に4斤しか焼かないというイングリッシュ・ブレッド。

勿論、見た目は普通のイングリッシュ・ブレッド。ところが、軽く焼いて食べて、二人で驚いた。
これはまさしく、本場ロンドンで食べることのできる極上のお味なのだ。日本のパンは、これは
私の個人的な感想だけれど、日本人の好みに合わせて、少しヘヴィでもっちりしたスタイルに
なっている。けれどホテルのものは、本来イングリッシュ・ブレッドの持つ軽さとしなやかさが
絶妙なとても美味しい食パンだった。

ロンドンでホテルに宿泊すると、ブレクファストはどこもわりにシンプルだが、このイングリッシュ・
ブレッドと厚めのハム、そしてなくてはならないのは2センチほどに切って焼いたトマトのステイク。
そして、どうしてここまで違うのかと思うくらいに素晴らしいお紅茶。とても気分の良い朝食だ。
こんなに美味しいパンなら、ロンドンにいる気でトマトを焼けばよかった。

　　　　　　

午後はランチを摂らず、お三時に同じホテルのロールケイクを頂いたが、このロールケイクにも
開眼！アメリカでは、日系のスーパーマーケットなどで見つけなければ、ロールケイクに出会う
ことは滅多になく（というより私の知る限り皆無）、日本に来てから一時ブームとなった？ことも
あり随分と多くの種類を平らげてきたが、彼と私は今日、このケイクに第1位を進呈した。

とにかくバランスが素晴らしいと思った。しっとりとしたケイクに濃厚なのに上品なクリーム、
そしていちごの質の良さも際立つロールケイクの王様、というより女王。日本中には数多くの
ロールケイクがあり、おそらくランキングなども存在して今日のこのロールケイクがランクインして
いるのかは不明だけれど、とにかく冬に逆戻りな冷たい雨の憂いなど払拭してくれる、可愛くて
春らしいお菓子だった。明日は1日お休みにして、明後日のおかわりをセバスチャンに要請した。

不健康な夜遊びアーミーにしては、今日のこのペイスはなかなかなのではなかろうか、と鼻を
ぷっとふくらませていたが、日が暮れると結局は、歩きながら出会ったイタリアンでデキャンタ
2本の赤を飲み尽くし、お昼に続いてエスカルゴだのチーズの盛り合わせだのと「健康家族計画」
初日にて早くも挫折気味ながら、なんともソフトな日曜日を過ごしたThe Kennedysであった。

こんなのを聴きながら、ブランチもGroovyに。