カテゴリ:流されゆく日々
例の路地裏を歩いていると、なにやらほんのりと香りが漂ってきた。 ほんのりがやがて強くなり、私はその花を見つけた。 見つけた。うんにゃ、私はどこにあるか知っていた。 路地裏の塀から花がちょこっと例年どおりに覗かせていた。 顔を近づけると香りはより強くなった。 「春だよな、春が近づいてくる」 秋が近づくと、やはり香りが教えてくれる花がある。 秋が近づいていますよ。紅葉がやがてはじまりますよ。 まるでそう言っているかのような花だ。 キンモクセイ、花はそれほど美しくはない。 けれど、香りだけで、秋を感じてせつなくなる。 香りだけで秋を教えてくれる花がキンモクセイならば 香りだけで春を教えてくれる花は? そう沈丁花だ。花はそう美しいものではない。 ただね、春の香りをせつなくほのぼのと周囲に漂わせる。 春が近づいていますよ。桜の花がもうすぐ咲きますよ。 香りだけで存在感を示す。そんな花もあってもいいと思う。 沈丁花が咲くと、その香りに桜の花を想い、春を感じてしまう。 春という季節がより恋しくなるというものだ。 今年の春は自然がいっぱいのような感じがする。 今朝は春の陽気を思わせる陽射しだ。 あの路地裏を歩く。 うん、沈丁花の香りに包まれてね。 花とともに生きていける。シ・ア・ワ・セ……。 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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