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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2008.03.11
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カテゴリ:流されゆく日々


     沈丁花.jpg

例の路地裏を歩いていると、なにやらほんのりと香りが漂ってきた。
ほんのりがやがて強くなり、私はその花を見つけた。
見つけた。うんにゃ、私はどこにあるか知っていた。

路地裏の塀から花がちょこっと例年どおりに覗かせていた。
顔を近づけると香りはより強くなった。

「春だよな、春が近づいてくる」

秋が近づくと、やはり香りが教えてくれる花がある。

秋が近づいていますよ。紅葉がやがてはじまりますよ。

まるでそう言っているかのような花だ。
キンモクセイ、花はそれほど美しくはない。
けれど、香りだけで、秋を感じてせつなくなる。

香りだけで秋を教えてくれる花がキンモクセイならば
香りだけで春を教えてくれる花は?
そう沈丁花だ。花はそう美しいものではない。

ただね、春の香りをせつなくほのぼのと周囲に漂わせる。

春が近づいていますよ。桜の花がもうすぐ咲きますよ。

香りだけで存在感を示す。そんな花もあってもいいと思う。
沈丁花が咲くと、その香りに桜の花を想い、春を感じてしまう。
春という季節がより恋しくなるというものだ。

今年の春は自然がいっぱいのような感じがする。

今朝は春の陽気を思わせる陽射しだ。

あの路地裏を歩く。
うん、沈丁花の香りに包まれてね。

花とともに生きていける。シ・ア・ワ・セ……。


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Last updated  2008.03.11 09:08:22
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