カテゴリ:ガキの頃
鉛筆をかじる。 小学校の低学年の頃、私にはそのような癖があった。 担任の先生からも、通知表の連絡簿にはっきりと書かれていた。 「キータンくんには鉛筆の頭をかじる癖があります。 これは早く治した方がいいと思います」 これには、私の母も参ったらしい。 「イヤネ、欠食児童のようね。 おなかに虫がいるのかもしれないわね」 母は本当に心配して「虫下し」を私に飲ませたこともあるらしい。 それも効果がなかったのだろう。 鉛筆の頭にトウガラシか一味を塗ろうとも思ったらしい。 「鉛筆の頭をかじってはいけません」 母や先生から何度も注意されても、その癖は治らない。 授業を聞いている。試験の答案用紙をじっと見つめている。 すると、口が知らぬ間に鉛筆の頭にいっている。 その噛み心地、なんともいえなかったね。ああ。 高学年になったら治るだろう。 母も先生も思っていたらしい。 治らなかった。それは鉛筆から爪に変わっていた。 通知表の連絡簿の、鉛筆が爪に変わっていた。 「キータンくんは授業中に爪を噛む癖があります。 不衛生ですので、早く治す必要があります」 高学年になって悔しがることが多くなったのだろう。 悔しい場合、寂しい場合、口が自然と爪にいってしまうのだ。 これは大人になっても治らなかった。 「キータンさんって深爪ね」 カクテルを呑んでいる時、女性から言われたことがある。 なにかとても恥ずかしかったことを覚えている。 そしてね、平岡精二さんの「爪」という歌を知った時 誰でも「爪を噛む癖」があるのだとホッとした。 ♪二人暮らしたアパートを 一人ひとりででてゆくの すんだことなの今はもう とてもきれいな夢なのよ 貴方でなくてできはしない すてきな夢を持つことよ もうよしなさい悪い癖 爪を噛むのはよくないわ 女性から、そのようなことを言われたことがあるかって ふふふ、全然……!!!ああ。 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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