鉛筆-4
「サイコロゲーム」は数字の多い少ないだけの単純な遊びだ。単純、すぐに飽きるということだ。そう下級生から上級生になると、それが「野球ゲーム」に変わった。数字の代わり、「ヒット」「二塁」「三塁」「ホームラン」と書く。残りのふたつが「アウト」になる。ワラバン紙に、ベースとスコアボードが書かれて、試合開始だ。ワラバン紙?知っている人、リコウランさんか、Burnet,姉さんぐらいかな。ふふふ。そうそう、チーム名も決め、選手も九名ちゃんと揃える。うん、巨人、川上、与那嶺、広岡と叫ぶヤツが多かったね。私は、九州、西鉄ドラゴンズだ。中西、大下だね。そして、鉛筆をコロコロと転がしてね、その出た目により、選手を走らせるんだ。「アッ、ヒットだ」「ちくしょう、アウトか」野球ゲームを実践さながらに楽しむのだ。そう、晴れた日は、表で実際の野球をしたけれど雨の日の昼休みは、紙の上の野球に熱中したね。ひとつの紙に書かれた野球場をみんなが取り囲んで遊ぶ。ワイワイガヤガヤ興奮する。「ワーイ、ホームランだ」教室を一周するヤツもいた。あの快感、パソコンの野球ゲームでは味わえないよな。鉛筆一本が生み出す喜び、うん、楽しかったね。ただね、そんな鉛筆の遊びは男だけだったね。うん、男の子の遊び、女の子の遊びとはっきり分かれていたね。遊びにより、「男らしさ」「女らしさ」が育まれていたような気がする。だから、鉛筆で野球ゲームしていると、先生からよく叱られたね。「勉強用具を粗末にするな。大切に使いなさい」ふふふ、そう言われたからって、素直にやめる私達ではなかった。そう、男の子は反抗しながら大人になっていったね。ああ。 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな!