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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2008.03.20
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カテゴリ:ガキの頃



     沈丁花-2.jpg

鉛筆が消える。

そう確信した時があった。

ある日の朝、友達が筆箱を開けてプラスチック製の棒を取りだした。

カチッ。

鋭いかん高い音を鳴らした。

「何だろう?」

みんながヤツの回りに集まり取り囲んだ。

ヤツのおやじさんは新聞社に勤めていた。
だから、ハイカラというか、新製品はヤツから教室にいつも流行った。

ヤツが雑記帳にサラサラと線を描いた。
青い鮮やかな線が延びていた。
ペンではないのに、ペンで書かれたような線だ。

「オーッ」

みんながヤツの手元を見た。
ヤツはみんなの顔を見ながらさりげなく言った。

「ボールペンと言うんだ。
 ペンというか万年筆と鉛筆を合体させたものかな」

うん、それから私達の教室にボールペンが流行り始めた。

その流行を見ながら、鉛筆が消えると、私は思ったね。

それはそれとして、ボールペンの出し入れが、これまた気持ちがいい。
お尻をグイッと押すと、カチッと先が出て書ける。
芯をなおすためには途中にある丸いボタンを押すと、カチッと収まる。

このカチッという音が快い。
ただ、やけに響く。

授業中、授業を聞いていて、思わず丸いボタンを押してしまう。

カチッ!!!!そうやけに響く。授業中の耳障りになる。

「誰だ、ボールペンなど鳴らしたヤツは……」

神経質な先生なら必ず怒った。叫んだ。そして……。

「廊下に立って、バケツでも持っておけ」

今から思うと凄いと思えるが、そんな体罰は普通だったね。
そう、私達も負けてはいなかった。

「身体を鍛えられるし、静かにのんびりと過ごせるからね」

そうのたもうていたよ。

ふふふ、でも、廊下に立たされると辛いこともあったね。

その話は明日ね。うん、せつないね(つづく)

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Last updated  2008.03.20 07:13:04
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