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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2008.03.22
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カテゴリ:ガキの頃



     輪ゴム.jpg


小学校時代、子供は何だって遊びに変えてしまう。

そう、買った時の未使用の鉛筆、これをゆっくりと眺める。
これを何に使えないだろうか。この長さ、左右に角がある。
ふふふ、ゴム鉄砲にできるのではなかろうか。

下敷き、教科書、ノートでのゴム鉄砲は格好が悪すぎる。
大きな板状のものを持って、相手を狙う。
うん、ガンマンらしくない。

新品の鉛筆の左右にゴムを引っかけてバシッとゴムを放つ。
放つ、うんにゃ、銃を隠して撃てるのだ。
カッコウイイではないか。

ひとりが始めると、みんなが始める。
授業中でも、友達のひとりの背中を狙って撃つ。
撃たれたヤツは何だろうなと背後を振り向く。

テヘヘヘと片眼をつぶる。
「仕方のないヤツだな」
ヤツは前を向く。

これが面白い。次から次へと仲間の背中を撃つ。
撃つ、撃つ、撃つ、はずれる時がある。それが人生だ。

「人生は思うようにいかない」と知らされる。

友達の背中を逸れて、ななななんと先生の背中に命中する。
万事休す、目を閉じて、先生の怒鳴り声を待つ。
おっと、黒板に白墨で書いていた先生は背中をこするだけではないか。

おう、ラッキー、先生は何かかゆかった程度と感じたらしい。

それで終わる。それでやめておけば良かったのに、
懲りなくゴム鉄砲を続けるヤツがいた。

そして、友人の背中をはずれたゴムは先生の頭の後部へ……。

教室にメガトン級の爆弾が落ちる。

こんなヤツは大人になっても、そんな傾向で、同じ失敗を繰り返している。
でも憎めないヤツだったよな。

最近、私は病院に通っている。薬局でやけに多くの薬をもらう。
薬の袋を止めているゴム輪を見て、友人を思い出してしまった。

「ふふふ、アイツ、今、何をしているのだろうかな。
 元気で頑張っていればいいけれど……」

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Last updated  2008.03.22 09:30:08
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