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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2008.03.24
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カテゴリ:ガキの頃


     鉛筆-5.jpg


鉛筆、鉛筆はどこに消えたのだろうね。

そうそう、短くなった鉛筆を大切にして瓶に保存していたヤツがいた。
何十本、何百本……美しいな、子供心にも思ったものだ。

「ボクも鉛筆を保存しよう」

そう思ったのだが、いつも三日坊主で終わった。

大人になって、鉛筆の切れ端を集めている随筆家のエッセイを読んだ。

そうだよな。こんなに鉛筆を大事にする人ならものごとを見極められる。
そして……素晴らしいエッセイを書くことができる。

なぜかしら納得したことがある。

鉛筆、ボールペン、ワープロ、パソコン……時は流れた。

鉛筆を持つということがなくなった。

寂しいというより、鉛筆は書くということだけでなく
物を大切にすることを教えてくれた。

それになにより、鉛筆は多くの創造力を育んでくれた。

うん、短くなった鉛筆を両耳に挟んでね
「鉄腕アトム」だと叫んでいたヤツがいたね。

鉄腕アトムなんだよ。死なないんだよ。

ヤツが亡くなった。十年前に通勤途中に心臓麻痺で亡くなった。

鉄腕アトムが心臓麻痺で亡くなってどうするんだい。

両耳に鉛筆を挟んでなかったのかい。
エネルギーが切れたのかい。
アトムはアトムは永遠だって言っていたじゃないか。


今、手元に鉛筆が一本がある。
それを握りながら、いろいろな想い出を振り返る。

大勢の友達の顔が浮かんだ。
みんな鉛筆を持って微笑んでいた。

みんな、団塊の世代だ。
鉛筆のように不器用に生きてきたヤツだ。

うん、私、もう少し生きてみるよ。もう少し頑張ってみるよ。

だから、みんなも……頑張れ。


            (鉛筆-終)


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Last updated  2008.03.24 09:03:08
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