カテゴリ:ガキの頃
「キータンさん、キータンさんのブログによく出てくる 『肥後守』って何ですか?カッターのようなものですか?」 そんな質問が寄せられた。 ふふふ、『肥後守』、うん、カッターとは違う。 そうだよ。カッターのような切るだけの道具ではなかった。 そう、肥後守を道具とは考えていなかった。 自分のお守り、守り神、友達、そういうものだったかな。 男の子にとっては、自分のプライドのようなものだったね。 「うんにゃ、ただのナイフだべえ、カッターと同じだべえ」 そう言われれば、そうかもしれない。 でも、違うよな。 男の子にとっては、やはりおのれのプライド、 それが『肥後守』なのだ。 うん、どのようなものか。構造は簡単だ。 両刃つきのナイフ部分と、U型の鞘からなっている。 刃についている凸部を親指で押して出し入れをする。 切れるかって、切れるさ、子供ながら砥石で研いだ。 そうだね、なまじっかのジャックナイフなど目じゃなかったね。 男の子にとっては「刀」と同じような気持ちだったね。 砥石で研いでは陽にかざして研ぎ具合を見る。 その横顔は武士に似ていたといってもいいだろう。 そしてね、試し切りをするんだ。 畑に捨てられた大根なんかがよく使われたね。 そうだよね、昔は採れすぎた大根なんかが畑に捨てられていた。 勝手にお持ち帰りよということなんだろうね。 おおらかな時代だったね。 そんな大根の中のしなびたヤツを選んでね 刺したり切ったりして試したものだ。 気持ちは丹下佐然か近藤勇だったね。ああ。 人気blogランキングへ←良かったらランクアップのためにクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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