カテゴリ:ガキの頃
小学校の入学式には胸にハンカチをつけて登校した話を書いた。 するとね、「安全ピンで胸にとめてましたよね」との返事が来た。 そうそう、「安全ピン」なのだ。針のところに保護のキャップがついていたよな。 そしてふと考えた。 ハンカチに自分の名前を書いたけれど、何で書いたのだろう。 そうだよな。当時、マジックインキなどなかったはずだ。 「小学校の時、胸にハンカチをつけただろう。 あの時の名前は何で書いたのかな」 今年八十八になる私の母に尋ねた。 「そうだよね、墨で書いていたけれど洗う度に薄くなるから 糸で刺繍のようにして名前を縫ったものだよ」 エーーーエッ、糸で名前を縫っていたのか。 それもハンカチだけではないらしい。 靴、帽子、靴下、シャツそして下着まで及んだらしい。 当時はデザインなど選ぶ余裕がなかったらしいから 服や帽子など、みんな、同じものを買っていた。 そして子供は暑いとすぐに脱いで小川や池に入って遊ぶ。 するとね、どれが誰の服なのかわからなくなる。 そのために名前を書くことが当時は必須条件だったらしい。 「船の錨のマークをつけて欲しいとか駄々をこねていたよね」 ヘエーッ、私が名前よりも船の錨を私の目印にしたかったのか。 ふふふ、昔から私には旅に出たい憧れはあったのだろうな。 来週あたり各地で小学校の入学式が行われる。 一年生はみんなおしゃれをして新しいランドセルを背負って登校するのだろうな。 昨日の冷たい雨は上がった。 桜が少し散り始めた。散り始めの桜も風情があるというものだ。 今年の私の春が過ぎてゆく。 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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