カテゴリ:ガキの頃
昔、食べたコッペパンはどこに消えたのだろう。 最近、デパートの地下やスーパーのパン屋でコッペパンを買う。 あの味、幼い私が味わった味と同じコッペパンを食べたいが為だ。 駄目だ。どこのコッペパンも昔の味がしない。 形はそっくりだ。焼き具合もそっくりだ。 粉は少しはよくなったかはしれないが、あの味がしない。 どうしてなのだろう。 あの当時のコッペパンが食べたい。 「キータンさん、無理ですよ」 パンをよく食べる若い女性から言われた。 「キータンさんの頃は、砂糖の代わりにサッカリンを使っていたのよ。 今は高級な質のいいお砂糖を入れているから味が違うのよ」 使っていたのよ、違うのよ、 ふたつの言葉で、私の夢は打ち砕かれた。 しかし、入院して、ななんとあの味に近いコッペパンに会えた。 入院して味気ない食事が続いていた朝、パン食が出された。 丸く焼かれていたので、細長くなかったので、私は何気なく食べた。 「オーオオオオオッ、この味だ。昔の味だ」 私はパンを同室の人に見せるかようにかかげた。 「う~ん、昔の味といえば昔の味だよね。 このバターをつけたんだろう。これマーガリンなんだよ」 おっとと、バターと思ってつけていたのがマーガリンだった。 病院では、健康を考えて、バターではなくマーガリンを使っていた。 そのマーガリンが、私の昔の味を思い出させた、思い出させてくれた。 昔は貧乏だったけれど、それなりに健康的でおいしい生活をしていたのかもしれない。 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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