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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2008.04.01
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カテゴリ:ガキの頃


     コッペパン.jpg

昔、食べたコッペパンはどこに消えたのだろう。
最近、デパートの地下やスーパーのパン屋でコッペパンを買う。
あの味、幼い私が味わった味と同じコッペパンを食べたいが為だ。

駄目だ。どこのコッペパンも昔の味がしない。
形はそっくりだ。焼き具合もそっくりだ。
粉は少しはよくなったかはしれないが、あの味がしない。

どうしてなのだろう。
あの当時のコッペパンが食べたい。

「キータンさん、無理ですよ」
パンをよく食べる若い女性から言われた。

「キータンさんの頃は、砂糖の代わりにサッカリンを使っていたのよ。
 今は高級な質のいいお砂糖を入れているから味が違うのよ」

使っていたのよ、違うのよ、
ふたつの言葉で、私の夢は打ち砕かれた。

しかし、入院して、ななんとあの味に近いコッペパンに会えた。
入院して味気ない食事が続いていた朝、パン食が出された。
丸く焼かれていたので、細長くなかったので、私は何気なく食べた。

「オーオオオオオッ、この味だ。昔の味だ」

私はパンを同室の人に見せるかようにかかげた。

「う~ん、昔の味といえば昔の味だよね。
 このバターをつけたんだろう。これマーガリンなんだよ」

おっとと、バターと思ってつけていたのがマーガリンだった。
病院では、健康を考えて、バターではなくマーガリンを使っていた。

そのマーガリンが、私の昔の味を思い出させた、思い出させてくれた。

昔は貧乏だったけれど、それなりに健康的でおいしい生活をしていたのかもしれない。


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Last updated  2008.04.02 07:31:24
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