カテゴリ:ガキの頃
「ぼんぼん」と聞いて、夏のお菓子と答える人はいかほどいるだろうか。 うん、昔の子供たちにとっては桜の終わりが夏の始まりだった。 五月の声を聞くと、駄菓子屋の店先に「ぼんぼん」との暖簾旗が揺れる。」 昔の夏を代表するおかじだが、これまた不潔の代表で、 アイスキャンデーと紙芝居の水飴とともに、親たちから禁止されていたものだ。 禁止されると、より食べたくなるのが子供である。 ふふふ、親たちも隠れて食べていたはずである。 「ぼんぼん」どんな食べ物だって? うん、ジュースを、ひょうたん形のゴム袋に入れて、固く凍らしたものなんだ。 色は白、黄、赤とあったね。 ミルク、オレンジ、イチゴということだけれど変な添加物でつくったものらしい。 でもね、それはそれでおいしいかったよ。 ゴム袋の先端はおっぱいのような感じでね、 先端を口先で切って吸うんだ。すると冷たい液体を飲むことができるんだ。 青い空、入道雲、うん夏休みだったね。 白い下着、草履、半ズボン、麦藁帽子、陽射しは、今よりきつかったね。 そうだね、普通の家庭には冷蔵庫などなかったからね。 五円の「ぼんぼん」は涼しいひとときなんだよ。 ああ、幸せだよな。 本当に思ったよね。 「ぼんぼん」を喰うというより舐りながら青い空を眺めものだね。 「ぼんぼん」……食べてるとねどんどん融けてくるんだ。 融けてね、注意しないとゴムがやぶけてね これが下着に付くと色がなかなか落ちなかったね。ああ。 「ああ、シャツに付いちゃった」 「アレエッ、口の中が真っ黄色だよ」 「あれっエッ、おまえも真っ赤だよ」 「ぼんぼん」……これほど幸せを覚えさせてくれた食べ物はない。 うん、吸い口、なるほどお母さんのおっぱいに似ているんだ。 うん、私は何でもおいしいく思えるたちなんだがね。 お母さんのおっぱいか~あ。ああ。 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|