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2014.05.16
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カテゴリ:読書

整形美女-【電子書籍】

≪内容紹介より≫
20歳の繭村甲斐子は、名医・大曾根に全身の整形手術を懇願した。「なぜ?」その美しい肢体を前に戸惑う大曾根。自らの「計画」を語る甲斐子。一方、元同級生、望月阿倍子は甲斐子の写真を手にオペ室に向かう……。幸せを夢見て、新しい容姿を選んだ二人。手術後に辿るそれぞれの意外な生き方を軸に、変身願望の虚構を描く。独特の哲学を、ユーモアと格調とをもって提示した衝撃の問題作。


とっても面白い、興味深い一冊でした。

主要人物は3人。
非の打ちどころのない美人であるのに、家庭環境、人間関係で
これまで不遇な人生を歩んできた甲斐子。
醜い、ぶさいくとまではいかないが、ブスという表現が一番ぴったり、
なのに天然のふわふわ感、曖昧さが男受けする阿倍子。
この二人は、高校までの同級生です。
誠実で腕の良い老整形外科医(美容整形ではない)、大曾根三ヵ衛。

甲斐子は確固たる意志を持ち、練りに練った「計画」どおりに、
阿倍子は、ただ成り行きに流されて、それぞれ美容整形を重ねた結果、
二人は互いに入れ替わったような容姿を手に入れる。
甲斐子は自分の計画が間違っていなかったと信じ、ひたすら計画通りに突き進む。
方や阿倍子は、最初のうちは良かったものの、次第に心休まる時がなくなっていく。
大曾根は、そんな二人が整形手術を受けたことを唯一知る人物。

書評によると、甲斐子と阿倍子の名前は旧約聖書のカインとアベルからもじったものだそうで、
大曾根三ヵ衛は大天使ミカエルのようです。
うーん、カインとアベルか・・・
『小説聖書』で読んでいるはずなのですが、カインがアベルを殺したということくらいしか覚えていません。
ジェフリー・アーチャーの『ケインとアベル』というのもありましたね。
これは面白かった!(話それました・・・)

それはともかく、身長169cm、98-54-94ボンキュッボンのナイスバディ、
透けるようななめらかな肌、大きな瞳に高い鼻梁。
絶世の美女としか言いようのない甲斐子。
この本の中では、甲斐子を非常に美しいと見ていた男子も登場しますが、それはごく一部の人で、
彼女の一風変わった性格のせいもあり、彼女に魅力を感じる男性が非常に少ないです。
高嶺の花扱いならまだしも、訳のわからない不毛な扱いをされています。
稀にみるその美しさは男性の目には本当に少しも魅力的に映らないのかしら・・・?
甲斐子ほどの容姿があれば、モデルにでもなれると思うのだけれど。
あまりの不遇な人間関係の為、自分は他人から見て魅力がないと思い、
美人ではないけれど男受けする阿倍子を見て、ブスにならなければ男受けしないと思っている。
なんて勿体ない。

阿倍子は阿倍子で、たった一人の男性に(特に恋愛感情を抱いていたわけでもない相手)
「(甲斐子は)すごくきれいな人だったね」と言われただけで、
これまで他の多くの男性にちやほやされてきたにも関わらず、
不安を感じ、流されるままに整形手術を重ねていく。
典型的な何も考えていない女性です。
でも、世の男性の多くはそういう自己を持たない女性の方が好きなんですねえ。

整形手術後の二人の生活は一変し、計画を練っただけあり、
甲斐子は着々と性格までも変え、わが道を突き進んでいきます。
化粧をする、パーマをかける、八重歯を抜く、入れ歯を入れるのと何の違いがあるっていうの!?
と、信念を持っているから強い強い。
過去の自分は捨てたから、整形したことを隠すことも当然よ、って。
一方、阿倍子は整形直後から不安や疑問を抱えていきます。
終盤、阿倍子が事故に合ったことがきっかけで、元の顔に戻した後、
と、美しかった時の自分を振り返った言葉は非常に納得がいくものでした。
「わたしは整形してからいつも不安で、心からたのしいときがひとときもないんです」
「それを隠したときから整形は不倫になるのです」と。

私が学生だった頃、一重を二重瞼に手術した子がいて、それを隠したがっていました。
以前はアイプチをしていて、それは普通に話していたのに、手術のことは隠したかったのです。
手術ではなく、ずっとアイプチをしていたら癖がついて二重になったのと。
今なら、ごく当たり前のように、TVで芸能人が「二重にしただけですよ~」と言う範囲。
一般人でも隠さない人の方が多いと思います。
何故?・・・誰でもやっている普通のことだから。隠す必要がないことだから。
うーん、そうかもね。
だって、一般人がTVで私はこんなに醜かったから、こんな不遇な目にあってきたんです。
綺麗になりたいんです!!
と、自分の心の澱を衆目に晒して整形手術をし、まるで別人のようになって出てくる。
あるいは、自らここまで整形をしました、まだまだ自分の求める美の為に整形し続けるわ。
勿論、自分の子供がブスだったら、子供にも整形を勧めます。
という人たちがいっぱい出てくる世の中ですもの。
本人が納得して、堂々としていられるのなら
それはその人にとって王道であり、心の安定でもあるのでしょう。

それにしても、この本の中で書かれている美容整形の世界はあまりにずさんで酷いものです。
阿倍子が事故に合った際に手術をした整形外科医が、
「美容整形は治療ではないので、施術というんですよ」と話しています。
だからちゃんと説明もしないで、即日手術なんてことになってしまうの??
この本が出版されたのが1999年ですから、15年も前。
さすがに今はこんな状況ではないのでしょうが、恐ろしい。



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最終更新日  2014.05.17 02:04:43
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