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2014.06.29
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カテゴリ:読書

【楽天ブックスならいつでも送料無料】変身 [ 東野圭吾 ]


≪内容紹介より≫
平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。

脳移植手術を受けた男の異色ミステリー巨篇恋人を愛し、画家になる日を夢見ていた成瀬純一を襲った不慮の事故。そして世界初の脳移植手術。退院後の純一は徐々に性格が変わり、恋人を愛することもできない 自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める。


東野圭吾の初期の名作といわれ、映画化もされ、今夏はWOWOWでテレビドラマとして放送されるそうです。

まず読んでいて思い出したのは、漫画『赤い牙』シリーズ時代の柴田昌宏作品。
『ブルーソネット』辺りだったでしょうか、同時収録された短編(タイトル忘れました)で
ある秘密を知った医師が、実験の為だったかその脳をかわれてだったか、
頭部だけを残して処分され、頭部は機械に繋がれ活かされている、という話があり、
その絵が直ぐに思い浮かびました。
脳だけになっても、意識はそれまでの自分であり、心は切り離されていなかったっけ。
そして、読み進めていくうちに、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』が。
研究者たちの餌食になったチャーリーが、純粋さを失い傲慢になる。
しかし、その行き着く先は残酷なものだと気付き、最後の道は自分の意思で決めた。

脳の仕組みやら意識と脳の関係性なんてものに無知な私からしたら、
心は脳に支配されているものだと考えがちです。
心身は脳によって動かされていると考えるのが一番わかりやすいし。
だから他人の脳を移植したら、少なからずそのドナーの影響が出るのは当たり前なのでは?
移植した脳の部位や量によって、その影響の出方は変わってくる。と思ってます。
ところが、この作品に登場する、脳移植手術を行った医師は、
心は脳細胞そのものではなく、脳との電気信号のやりとりの結果で生じるもの。と言っています。
そうなのかなぁ。
私は主人公の成瀬と同じで、移植した脳の量に比例して、
99%を移植脳が占めたら、それはもはや元の身体の持ち主の脳ではなくなってしまい、
その脳から信号を送られる心、意識も元の持ち主のものではなくなるように感じるけれど。
でも、よく考えてみると、脳が委縮していく病でも、心は自己をしっかり保っていますし、
そうなると、脳と心は切り離されたものということになるのでしょうか。
考えれば考えるほど、難しすぎてその辺はわかりません。

この話の主人公・成瀬が移植された脳は、実は成瀬の脳を撃ち抜いた犯人のものであり、
その境遇からあらゆるものに不満をもった犯人の凶暴性が、徐々に成瀬を侵食していきます。
自分の性格・嗜好の変化に戸惑い、移植脳の影響を考えた成瀬は、
独自にドナーについて調べ、その結果自分に移植された脳は犯人のものであり、
己が行きつく先を恐れ、己をつなぎとめようともがいていくも抗いきれない。
救いなのは、そんな成瀬が自分の道を自分で決めたこと。
自分の道を決めた後の成瀬の心は幸せだったんだろうと信じたいです。





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最終更新日  2014.06.29 23:38:08
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