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カテゴリ:読書
【楽天ブックスならいつでも送料無料】Nのために [ 湊かなえ ] ≪内容情報より≫ 「N」と出会う時、悲劇は起こるー。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のためにー。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。 登場人物は姓名のいずれかが必ず「N」。 彼らが出会うきっかけとなる場所が「野バラ荘」でN。 誰もが誰かNの為に、と良かれと思って行ったことが思惑とは別の物になってしまう。 往き場の無い愛、報われない愛、独りよがりで理解されない愛、 人によって受け止め方はさまざまだとは思いますが、 やるせない愛が受け皿から溢れだしてしまったという印象です。 ただ、読んでいて直ぐに、どこかで読んだ感がありました。 この本自体は、間違いなく初めて読むのですが。 Nの一人、西崎が書いた小説『灼熱バード』については、 作中では一部の人を除いて評価されていませんが、私は結構面白いと思いました。 別に虐待物が好きとか、そんなのではありませんが、 登場人物のどうにもならない愛情(思い込みともいえる所もあります)を、切々と感じる。 で、この作中小説の「顔を傷つける」シーンを読んでいて、ふと出てきた画像があります。 梶原一騎の劇画『愛と誠』。 『愛と誠』で座王権太が高原由紀を思うあまり、自ら顔に硫酸をかけて愛を証明するシーンと この『灼熱バード』の男が女の顔を傷つけ、彼女に愛の証拠を求めるシーン。 傷つける手段や、自らor他人による所なのか、背景等については、全く異なるにもかかわらず、 私の中ではビジュアルとして同等なのか、鮮明に権太の顔が浮かびました。 そういえば『愛と誠』も、それぞれが誰かの為の、 報われない愛(とくに岩清水くんね)が描かれてましたっけ。 こういうテーマは昔から、不変のテーマなのでしょう。 個人的には、ハッピーエンドが好きだけれど、たまにはこの手の話も良いですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.01.28 21:38:22
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