テーマ:☆詩を書きましょう☆(8532)
カテゴリ:一行の物語
雨上がりの夜の、しんとした月を見ていると、いつも涙が出そうになる。。
どんなに世の中がくすんでいても、僕の心が汚れていても、 その月はまるで、いつか子供の頃に見上げた、まっすぐで、 透き通った瞳を思い出させる。 あれから何年経ったのだろう。。 一体どれだけの人と出会ったのだろう。。 どれだけの数の喜びと悲しみが僕の心に降り積もっていっただろう。。 生まれた町からトオクハナレ、 人波にもまれ、街はいつも形を変え、 凍えて歩く僕の横を、夜の空気を引き連れて、 排気音という名の車が通り過ぎていく。 いったいどのくらい僕はその月を見つめていただろう。。 月から零れ落ちた不思議な光は、いつしか僕の空っぽの心を満たし、 やがて悲しくこぼれていく。 ねぇ。僕の心は誰かに優しくできているかな。。 まっすぐに何かに向かって生きていけるかな。。 熱くて、はじけそうな心を思い出せるかな。。 カッコ悪くても思いっきり笑える瞳は残っているのかな。。 僕は一体何を求めているんだろう。 あの月に優しく微笑むことができたなら、それだけでいいはずなのに。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 10, 2006 01:20:11 AM
コメント(0) | コメントを書く |
|