カテゴリ:一行の物語
久々に空を見上げて、
太陽の光を浴びる自分を知った。 工場の向こうにの太陽は 絵の具の黄色に灰色を間違って混ぜてしまったように 少しだけかすんでいて、 けれど空を包み込んでいた。 飛行機雲が何本か太陽に吸い込まれていって まるで子供の絵のようにまっすぐな線が空を切り分けていた。 いつもと変わらない夕暮れ時と いつも変わり続けるその空を見つめて 僕の記憶は逆さまに回り始める ねえあの頃僕は何を見つめていたんだろう。 ねえあの頃の僕は君に何を伝えようようとしたんだろう。 ねえあの頃の僕たちはどうやって生きていこうとしてたんだろう。 誰かが言った。 「変わるっていう事は、何かが終わり、何かが始まることなんだよ。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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