カテゴリ:依存症
「明日できることは今やらなくてもいいや。」、「明日から本気出す。」、自分に様々な言い訳をつけて、物事を先延ばし(さきのばし)にしてしまうタイプの人がいる。結果として締切が守れなくなったり、約束を破ってしまう。 もちろん誰にでもそんなムードになる時はあるのだが、ここで上げているのは、ほとんどのことにおいて「先延ばし」にし、それについてあまり焦ったり、結果について考えない人のことだ。 でもそれは、本人のせいではないかもしれない。最新の研究で、「先延ばし癖」のある人は「先延ばし遺伝子」がそうさせていると可能性があるいう結果が報告された。 スポンサードリンク 米コロラド大学の研究チームは遺伝子と先延ばし癖の関係を調べるため、一卵性と二卵性の双子を対象に、抜き打ちリスニング調査を行った。質問では、どれ位の頻度で物事を先延ばしにするか、普段どれ位締切間近まで仕事をしないかなどについて聞いていった。 そこで得られた結果を、2人のDNAが完全に一致する一卵性双生児グループと、DNAを半分しか共有しない二卵性双生児グループにわけた。 分析の結果、物事を先延ばしにする傾向は、そのほとんどが遺伝子に起因していることがわかった。育った環境、友達、教育といった外的要因が与える影響よりも、遺伝子が先延ばしに関与している割合が非常に高かった。 さらに先延ばし癖のある人は、非常に衝動的で直情的な性格の持ち主であることもわかった。 衝動性と先延ばし癖は相互関係にある。 この研究を率いたダニエル・グスタフソンによると、その場で即座に決断する「衝動性」は、明日何が起きるかわからない過酷な環境を生き抜いてきた我々の祖先にとって非常に重要だったという。しかし時代が変わり現代では、長期的な計画が必要とされる課題が多くなってきた。その計画を遂行するにあたって衝動性は弊害を生む。 「衝動的な傾向にある人は、感情に負けやすくなり、長期的目標を見逃しやすくなります。そしてやるべきことを明日に引き伸ばしてしまうのです。」グスタフソンはそう語る。 「人類をとりまく環境が衝動力よりも、長期的な目標を達成するための計画力にシフトしているにもかかわらず、人類が進化する間に強く埋め込まれた衝動的な傾向はいまだ健在なので、一部の人に強くでているのです。」 またグスタフソンは、「先延ばし癖」は、その人のみならず、その人のことを頼みにしている人の、財政的、心理学的、物理的な健康をも奪う。」と述べた。 「この研究を続けることで、衝動的先延ばしに打ち勝ってきた人々特有の遺伝子の存在も確認できるかもしれない。そうなれば、先延ばし癖のある人に有効な解決方法を与えられることになるだろう。」グスタフソンはそう結ぶ。 たまに遅れるとか、やるべきことがあり過ぎてどうしても先送りになってしまうことはあるけど、「必ず待ち合わせに遅れてくる。」とか、「ほとんど締め切りを守らない。」といった先延ばし体質の人はいるわけで、まわりの人は振り回されることも多い。 だけど不思議なことに、先延ばし癖がある人の中には、「頼むと遅くなるんだけども、いい仕事するから、待つしかないか。」って思えるくらいの才能を人もいるよね。それってもしかしたら、古代人から受け継がれた、直情的なものが感性として発揮されているからなのかな?もちろん先延ばししたあげく満足に仕事を仕上げられない人もいるけど、まあそれは業種にもよるんだろうか? 複数のタスクがある場合、どれを先にやればもっとも効率的なのか?正しい優先順序を導き出しそれに基づいて順序良く仕事をこなしていくことができる人もいるよね。そしてそれが最善の結果となる。このスキルってどんな素晴らしい講習会やセミナーで説明受けても、できない人はまったくできないんだけど、これも遺伝子によるものなんだろうか? 人間っていまだすべてにおいて効率的に生きているわけじゃないってことも考えると非常に興味深いテーマだね。 富の不平等があるから人と人は協力するようになる(IIASA国際応用システム分析研究所) 人は無意識に自分に近い遺伝子を持った人を友人に選ぶ(米研究) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.07.04 19:16:43
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