クラシック・コンサートと、独・デトモルト
某中堅企業がメセナ活動として年に数回開催している、食事付きコンサートに夕刻出掛けた。本日の出し物はベラルティ・トリオという、ヴァイオリン・印田千裕、チェロ+ピアノ・パナシウク夫妻(ポーランド出身、拠点;アイスランド)によるピアノ三重奏曲である。みな若いので迫力がある。ロンドンでトリオを結成したとのことであるが、まさに音楽に国境なしで好感が持てる。20世紀のイギリスを代表する作曲家、サー・マルコム・アーノルド他による、すべてピアノ三重奏曲で、意外にも甘く且つ激しい旋律にワインと共に酔った2時間であった。席を共にした先輩夫妻の連れが現役の女性ヴァイオリニストで、印田千裕さんも交えて話が弾んだが、別れ際にこの女性が5月に独・デトモルト音大に2ヶ月の予定で滞在するという話が飛び出し、ビックリした。外国の、しかも人口わずか数万人の田舎町が共通の話題になるとは・・・。デトモルトには2年半前に友人のM君とF君とで訪れ、ペンションに1泊したことがある。音大の歴史ある構内、デトモルト城、しっとりとした町並み、郊外の美しい森や住宅街など、懐かしく想い出される。M君の50年前のメッチェンを訪ねる旅であったのである。昨年、還暦を過ぎて後ピアノ演奏に挑戦しているF君の作詞・作曲で、チェロとピアノの合奏曲「遥かなデトモルト」が送られてきた。M君の青春時代の淡い恋物語が半世紀を経て調べに乗る・・・、胸に迫るものがあった。今は主は変わっていたが、ようやく探し当てた彼女の住んでいた丘の中腹の住まい、彼女が通学したであろう林間の道・・・。青春はいつまでも続いている。3月3日に今度は彼女のピアノ三重奏曲の演奏会がある。是非聴きに行きたいものである。