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カテゴリ:和歌・短歌
昨日の和歌クイズに皆様、たくさんご回答およせくださいましてどうもアリガトウ 正解は、 ばら でした。 古今和歌集の巻第十物名、から紀貫之の一首でした。 物名とは、「物の名前などを掛詞とは違い、文脈上の意味とは関係なく詠み込んだ歌」と説明書きにあります。 この『今朝初ひ(けさうひ)』に、薔薇の中国音読みである『さうび』が隠されてる、といいます。 薔薇の花は中国では古くから鑑賞されており、日本でも菅原道真の詩などにより平安っ初期には輸入されていたことが確認できますが、和歌の題材としてはヒジョウに珍しく、この歌が薔薇を題材にとった和歌の唯一の代表歌、といえるそうです。 こののち、源氏物語の『賢木』に出てくる宴会の場面に薔薇が登場・・・とありますが、あったっけ、そんな場面???(おい、こら!) 歌の内容は『あだ』を掛詞として、和語の『移ろいやすい、枯れやすい』という花の性格に沿った意味と、漢語の『婀娜(あだ)』、すなわち女性のうつくしさ、なまめかしさの意味を含みもたせたところで、漢語を掛詞としているのが珍しいけど薔薇が中国的な素材であったところからきているもの、と思われます。 ということで、歌の現代語訳は、 私は今朝、初めて見たよ。この薔薇の花の色を。それは移ろいやすいと、いや、美女のように美しい、というのにふさわしいものだったよ。 と、なります。 白楽天の「白氏文集」からの、白楽天が朝宴会を催しながら薔薇の花をめでた、という内容の詩の影響を受けている、といわれてますが、紀貫之自身、この白楽天のように朝に宴会をしながら薔薇の花を観賞したのでしょう。 宴席ではその場にあるものを題材として、物名のような即興的な詩がよく作られました。したがって普段の和歌には、お目にかからない珍しい素材などが、題材として登場します。 ここで、食べ物クイズです 以下の歌には食べ物の素材が3つ、隠れています。見つけてください。
あぢきなし嘆けなつめそ憂きことに あひくる身をば捨てぬものから
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Last updated
2009.03.18 17:23:56
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