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カテゴリ:野外捕物帳
隣町で公務員をしているM君は、人一倍郷土に根強い愛情を持っていて、地域の歴史やら文化の研究にいそしんでいる。
古本屋めぐりをしては、昭和初期に発行された村々の記録や資料を買いあさり、その茶色味がかった書物の山が宝物になっている。 たまたま昨夜、「この近所に納涼に適した滝はないだろうか?」とたずねたら、「資料を見ておきましょう」ということになり、それが「2人で探索してみましょう」ということになり、「できれば朝早く行きましょう」ということになってしまった。 早朝5時に待ち合わせ、あちこちの滝を巡る。 M君は学習意欲もさることながら、探索に対する姿勢が立派で、資料に載っている地図をもとに現地へ向かい、たまたまそこにいる人に「あの、この滝はどこにあるのですか?」と聞いては歩くことを繰り返す。まるで、テレビ番組みたいだ。 当初の予想を大きく覆し、地元にはいくつもの滝が存在。いずれも見事な流れとしぶきを見せてくれた。 M君は、「いいすね、滝。いいすね、故郷」と同じフレーズを口にし続けている。 写真でわかる通り、20代の頃からオヤジっぽくて、絵に書いたようなズングリムックリな体系。でも、滝を見て素直に感動し、故郷に誇りを持ってしまうような、こういう人が公務員でよかったと思うのである。 結局僕らは、昼過ぎまで8つの滝をツアーした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.13 00:28:43
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