ヒヨドリと僕の敵
我が家の庭に、母親がラズベリーの木を植樹したのは、かれこれ数年前。この時期になると、深紅の実を鈴なりにするので、そんなに美味しいものでもないが、せっかくなので毎朝実を摘んではそのまま食べている。 この実を食べているのは僕だけではない。どこからかやって来るヒヨドリが、大騒ぎしながら食べるのだ。ヒヨドリの声が庭から聞こえる時は、ラズベリーを食べている合図のようなもの。なるべく邪魔しないように見守ることにしている。 「ヒーヨヒーヨ」というのがヒヨドリの鳴き声なのだが、今朝はちょっと感じが違う。不思議に思って様子を見に行った。 ネコがいるわけでもないのに、まだ大騒ぎしている。きっと、ラズベリーがあまりに美味しくて「イーヨ、イーネェ」と喜んでいるのか。で、僕も相伴にあずかろうと実に手を伸ばすと、何かがこっちを凝視している。 青大将だ! 我が家の庭に、ヒヨドリと人間の悲鳴がこだました。