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カテゴリ:社会

 死者に哀悼の意を表すということは、どんな場合にももっともひっそりと行われるべきことだ。それは、その死にどのような名分や大義があろうと、あるいはそのようなものがないたんなる偶然の死であろうと、いっさい関係のないことだ。どのような死者にも固有の名前と固有の顔があるのであり、死者を悼むということは、そのような名前と顔を知っている人によってこそ、行われるべき行為だ。死者を知らぬ者、死者について語る言葉を持たぬ者、死者のために涙を流すことのできない者は、ただそのような哀悼を黙って見守っていればよい。それ以上のことなど、すべきではない。

 哀悼を表すという行為は、たんなる自己の満足のために自分の 「愛国心」 を発露することでも、自分がいかに 「愛国者」 であるかを世間に表明し誇示するために行うことでも、他人に自分の考える 「愛国心」 を強制し、自分の考える 「愛国者」 となることを強要するために行うべきことでもない。ましてや、選挙の票を目当てに 「みんなで参拝する」 必要など、どこにもありはしない。

 兵士として死んだ自分の家族や友人のために靖国を訪れる人にとっては、それは1つの名前と1つの顔、1つの過去を持った死者を悼むという行為だろう。それは、もっとも個人的な、一人の人間としての行為なのであって、くだらぬ売名や宣伝、自己満足といった馬鹿騒ぎとは、もっとも無縁な、ひっそりとした行為のはずだ。いったい、誰が毎年のように繰り返される馬鹿騒ぎを望んでいるのか。

 「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」 というものがあるらしい。なんとも、幼稚園児なみの知能と言語能力しか持っていない連中だ。そんな幼稚な名前の会など作って、恥ずかしくはないのか。そんなに行きたければ、議員バッジなど外して、目立たぬように一人でひっそりと行けばいいではないか。死者に対する礼儀とは、そういうことではないのか。こういう連中こそ、死者を死んだあとでもさらに食いつくし利用し冒涜していると言うべきだ。

 

ただね、この前の戦争にせよ、こんどの戦争にせよ、そこで戦った男たちはいったん戦争がすんだら、もう口を閉ざして、どんなことがあっても二度とそんな話をするべきじゃない ―― それはみんなの義務だってことを、ぼくはこればかりは心から信じているんだ。もう死者をして死者を葬らせるべきときだと思うのさ。その逆からはなにも生まれなかったってことは周知のとおりじゃないか。

サリンジャー 「最後の休暇の最後の日」






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Last updated  2009.06.17 17:27:11
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