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カテゴリ:社会
彼岸を過ぎても真夏日が続いていたが、いつの間にやら秋である。夜半を過ぎて丑三つごろに空を見ると、巨大なオリオンが燦然と輝いている。神話によれば、神をおそれぬ不逞の輩であったオリオンは、怒った神の放ったサソリによって殺され、いらい星になってもサソリを恐れ、けっして一緒には空には昇らぬそうである。 ひところマスコミを騒がせていた 「亀田問題」 も、あのなんだか意味不明の 「記者会見」 で、どうやらようやく下火になりつつようだ。ニュースによれば、ゴマキの弟が電線ドロで逮捕されたとかで、週明けからの芸能ニュースは間違いなくこっちの事件で持ち切りとなるだろう。まったく、世の中は次から次へと事件や話題に事欠かないもので、亀田家にとっては、むろんすべて元通りとはいかないが、とりあえずはほっと一息というところだろう。 いうまでもなく、こういった戦略を (それほど複雑というわけでもないが)、あの亀田パパが自力で考え出したはずはない。黒幕は、当然協栄ジムやテレビ局などであり、彼らは、そのような戦略にぴったりのキャラクターとして、選び出されたということなのだろう。 しかしながら、そういった新しい顧客というものは、だいたいにおいて気まぐれなものであり、あまり当てにならないものである。しかも、そのような、ちゃんとした鑑賞眼を持った本来の顧客よりも、そうではない気楽な新参者たちを重視するといった戦略は、当然のことながら、おれたちこそが本当のファンであり、業界をずっと支えてきた功労者なのだと自負しているような当の人たちからは、強い反発をかうことになるだろう。 亀田家と協栄ジムの転落の本質は、ようするに、本当の顧客を大事にせず、目先の利益のみを追い続けてきたことのつけがまわってきたということだ。もちろん、そういった失敗は、これまでもあちこちの業界とかであったことなのだろうが、他人の失敗から学ぶということは、口で言うほど簡単なものではない。 ところで、ここまで書いてきて、このような出たとこ勝負的な 「一発屋」 戦略には、大先輩がいることに気がついた。それはむろん、何年か前の総裁選で 「自民党をぶっ壊す」 などと放言して、新しいファン層を大いに開拓したあの人のことである。 ただし、こちらの場合は本人ではなく、あわれな後任者がつけを払わされるということになってしまったが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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