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カテゴリ:社会
彼岸も過ぎてすでに一月になる。おかげで、陽はかなり低くなっているが、天気の良い日には日差しが部屋の中深くまで差し込むので、気温の割には結構ぽかぽかとしている。 昨今のニュースによれば、世間では食品の 「偽装」 というのがずいぶんと話題になっているらしい。「赤福」 とかいう饅頭屋さんに始まり、「比内鶏」 とかいう食肉屋さん、それに北海道では 「ミートホープ」 の元社長さんらが、「偽装牛ミンチ」 問題とかでとうとう逮捕されたということだ。 比内鶏の社長さんは、問題発覚以来、姿を消していたのが無事戻ってきたそうで、家族や従業員の皆さんはとりあえずほっとしたことだろう。実際、数年前の鳥インフルエンザ問題では、京都の 「浅田農産」 という養鶏場の会長夫妻が 「大変ご迷惑をかけました」 という遺書を残して首をつっている。 今回会見に応じた比内鶏の社長さんも、「家内と近所の山をさまよったが、死に切れなくて舞い戻った。苦しんでいますのでお許しください」 と謝罪したということだ。なにはともあれ、最悪の事態が避けられたことはよいことだ。 そもそも原材料を偽装したと言っても、別にダンボールのような食べられないものや、まして毒を混ぜたわけではないだろう。ずいぶん昔の話であり、もちろん故意ではないものの、粉ミルクに砒素を入れて売った森永などに比べれば、牛と偽って豚を使ったとか、地鶏のかわりに廃鶏を使ったなんて話はずいぶんかわいいものだ、などと思ってしまうのはちょっと不謹慎であろうか。 森永事件やカネミライスオイル事件などが発生したころに比べれば、食品企業に対する社会的な監視や消費者の力が強まっていることは悪いことではないだろう。ものによっては、食中毒などが発生しないように、原料や製品の消費期限を遵守することも必要ではある。 しかし、たいして儲けているとも思えないような中小企業のオヤジさんを、全国ネットのテレビなどで、自殺を考えるほどにまで追い詰める必要がはたしてあるのだろうか。したり顔でチンケな正義を振りかざして、弱い者いじめをするような報道には、いいかげんうんざりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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