1464251 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

遠方からの手紙

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

電動アシスト自転車… New! alex99さん

世論調査の限界? New! 七詩さん

怒りも当然だろうな New! FAM5220さん

40年以上前に見てい… AZURE702さん

立花孝志という男 まろ0301さん

翻訳立国トラドキス… 人口500万人の国さん
真理を求めて 秀0430さん

Comments

effelpist@ kilovermek.es effelpist &lt;a href=&quot; <small> <a href="http…
クロワッサン@ Re:物言えば 唇寒し 秋の空(10/08) 空ではなくて風なのでは??
夢野久作孫@ Re:玄洋社とカレーの関係(04/07) ‪本来の玄洋社は国権派ではありません。戦…
http://cialisvipsale.com/@ Re:あなたが思っているほど、人はあなたのことなど気にかけちゃいない(09/17) bijsluiter cialis 10mgpredaj viagra kam…
小林先生@ Re:恐妻家と愛妻家のはざまで(07/18) 失礼ながらよくまとまっているせいか たい…
akkun @ Re:岡崎次郎はどこへ消えたのか(10/01) 向坂逸郎(?)って悪いヤツだ! そういう欲…
大津 真作@ Re:岡崎次郎はどこへ消えたのか(10/01) 実は岡崎次郎さんには、岡崎三郎さんとい…

Freepage List

Category

Archives

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07
2024.06
2024.05
2024.04
2024.03
2024.02
2008.12.16
XML
カテゴリ:社会

 報道によれば、師走恒例となったその年の世相を漢字1字で表す 「今年の漢字」 で、今年は 「変」 が選ばれたそうだ。そのニュースを聞いて、思わずそうだ、そうだ、今年は 「変」 な事件が多かったし、「変」 な人も多かった、なによりもまず、現在の総理大臣が 「変」 な人である、と思って膝をたたいだのが、話をよく聞いてみると、どうもそういうことではなかった。

 この 「変」 という字は、アメリカの次期大統領に選ばれたバラク・オバマ氏がスローガンに掲げた 「チェンジ」 を漢字1字で表したものなのだそうだ。そう言われればそうかもしれないが、それって海の向こうの話でしょ。だいいち、「変」 と一文字で言われたら、普通の人は、「変化」 の 「へん」 より、「変な人」 とか 「変な話」 とかの 「へん」 のほうを連想するのじゃないのかな。

 昨年の 「今年の漢字」 は 「偽装」 の 「偽」 であったから、今年はもうちょっと希望の持てる字を選びたいという気持ちは分からないでもない。しかし、であれば、海の向こうの話じゃなくて、ノーベル賞の 「賞」 とかを選んだらどうだったのだろう。

 なんといっても、今年は南部陽一郎氏と小林誠氏、それに益川敏英氏と、一挙に三人ものノーベル物理学賞者が誕生したのだから。そういう投稿をした人は、あまりいなかったのだろうか。 (もっとも正確に言うと、南部博士は40年近く前に、アメリカ国籍を取っているので、法律的には米国人ということになるらしいが)

 しかし、師走だというのに、巷はさんざんな不景気らしい。麻生首相は、内閣で出しているメールマガジンの中で、「今 世界は、「百年に一度」 とも呼ばれる金融危機の中にあります。」 と言ったそうだが、「百年に一度」 というと、あの世界恐慌からもまだ80年しか経っていないわけで、ということは、今回の不況はそれを上回るか、でなくとも少なくとも同程度という話になる。

 1929年のニューヨークはウォール街での株暴落から始まった、世界恐慌がいったいどうなったかというと、言うまでもなくヨーロッパではヒトラー政権の誕生、アジアでは日本の大陸侵略、そして最後には世界のほとんどの国を巻き込み、膨大な死者を生んだ世界大戦ということに終わったのである。

 たしかに、国内の低所得層を対象にしたサブプライム問題から発生したアメリカの経済不安は、保険会社の破綻から公的資金投入といった金融危機へと拡大し、その結果、世界的な不況が現実化しつつある。日本でも雇用不安が発生しており、実際に、自動車業界などでは派遣社員の大量解雇や、新規卒業者の内定取り消しなども報道されている。

 このような現在の経済危機が深刻なことは、疑いようがない。しかし、「危機」 を煽るというのは、かつては左翼の常套的なアジテーションであったのだが、どうやら現代では、こういう論法は、政権を担っている保守政治家が用いる武器庫の中にも入っているらしい。

 もっとも皮肉を言えば、これは単純に 「危機」 の大きさを宣伝することで、おのれの無為無策ぶりを糊塗しようということなのかもしれない。「百年に一度」 というのを誰が言い出したのかは知らないが、どうも麻生首相は、例によって例のごとく、その言葉が持つ重さというのが分かっていないのではないのかという気もする。ただし、ときの政権や与党の政治家とかが本気で 「危機」 をアジるようになり出したら、とりあえずはむしろ警戒したほうがいいだろう。

 さて、そういう経済危機というのは、いろいろなところへと波及するものであり、企業の接待費などの経費削減のあおりで、タクシー業界や料亭、飲食業などの風俗営業関係もたいへんのようだ。そういう影響というのは、わが家が飯の種としている実務翻訳業界にもどうやら押し寄せてきているようであり、最近ちょっと仕事が減ってきているような気がする。

 もっとも、暇ができれば、長年書棚に備蓄・保存してきた活字の山を少しは減らすこともできるのだが、次の仕事の依頼はいったいいつ来るのだろうとか、このままどこからも仕事の声が掛からなかったらどうしようか、などと考えていると、読書にも身が入らず、ぜんぜんページが先に進まない。小人というものは、これだから困るのである。

 ところで、昔 現代思潮社から出ていたオレンジ色の表紙の選集に収められていた、ローザ・ルクセンブルクの 『社会改良か革命か』 の中にこんな一節がある。この論文は、マルクスの弟子であったベルンシュタインという人が発表した著書 『社会主義の諸前提』 を批判したものであり、ベルンシュタインというと、かつては正統マルクス主義に対する 「修正主義者」 の代表のように言われた人であるが、その話をしだすと面倒なので、そこは割愛する。

 まず信用についてのべると、信用は資本主義経済において多様な機能を持っているが、その最も重要なものは、周知のように生産の拡大能力を増大させ、交換を媒介し容易にすることにある。無制限に拡大しようとする資本主義生産に内在する傾向が、私的所有の限界や私的資本の限度に突き当たったとき、信用は、資本主義的な方法でこの限界を克服するための手段としての意味を持つ。  (中略)

 周知のように生産の拡大能力、拡大傾向と、限られた消費能力との間の矛盾から恐慌が発生するとき、上述したところにしたがえば、信用こそまさにこの矛盾を機会あるごとにしばしば爆発へともっていく特別の媒介をなす。なによりもまず、信用は生産の拡大能力を巨大なものへと高め、それをたえず市場の限界をこえるまでにかりたてるような内的成長力を作り出す。

 しかし信用は二つの側面で打撃を与える。生産過程の要因としての信用がひとたび過剰生産を引き起こすと、それは恐慌の中で、商品交換の媒介者としての資格で、自分自身がよびさました生産諸力をそれだけ徹底的に破壊する。不景気の兆候が少しでも現れると信用は収縮し、交換が必要な場合でも交換を捨てて顧みず、信用がまだ現れるような場合でも、それは無能力、無目的なものとして現れる。そして恐慌のとき消費能力を最低のところまで減退させる。

 むろん、恐慌における信用の役割を指摘しているのは彼女だけではないだろうし、これがとりたてて独創的な見解というわけでもないだろう。100年も前にローザが言ったことのすべてが、現代社会にそのまま当てはまるわけがないことも当然である。だが、こういうところを読むと、資本主義経済というものの本質的な部分は、今も昔もやっぱりたいして変わっていないのだなと、あらためて感じさせられる。

 最近、たまたまテレビの地元ニュースを見ていたら、昔知っていた人が映っていた (別に悪いことをしたわけではない。ある団体の代表を務めている人である)。30年ぶりに顔を見たのだが、頭の上のほうが筆舌に尽くしがたいほど悲惨なことになっていた。あまりのことに、思わず心の中で、おいたわしや、と呟いたのだった。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.12.22 22:08:28
コメント(0) | コメントを書く
[社会] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X