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テーマ:コーラス(2704)
カテゴリ:コーラス・音楽関係
色々あってちょっと遅れましたが、今日は中学校の部です。
まずは、実際の結果と予想を並べてみましょう。 <実際の結果> 金:郡山市立郡山第二中学校(福島) 銀:熊本大学教育学部付属中学校(熊本) 銅:札幌市立真栄中学校(北海道) 銅:福島市立福島第一中学校(福島) <私の審査結果> 金:松戸市立第一中学校(千葉) 銀:熊本大学教育学部附属中学校(熊本) 銅:郡山市立郡山第二中学校(福島) 銅:福島市立福島第一中学校(福島) (7→真栄) 入賞4校中3校を当てましたが、金賞予想校は賞外でした 去年の高校の部と同じ現象です、ハイ。 <第76回(平成21年度)全国学校音楽コンクール全国コンクール中学校の部審査by☆Shinta☆> 課題曲「YELL」 (作詞作曲:水野良樹(いきものがかり) 編曲:鷹羽弘晃) 1.松戸市立第一中学校 課題曲→丁寧な入り。sop.よく安定している。男声もそこに上手く混ざり、安定した合唱。強弱、テンポ、言葉の処理などよく練られている演奏。「エール」という言葉を意識的に歌っている感じ。2番の男声メロディー素晴らしい。掛け合いもよく繋がり、流れを作れている。たまにalto「こえて」など喉で押してしまう感があり、それが改善すればさらにレベル上がるだろう。ラストsop.「そらへー」はやや下がった。 自由曲「Pamugun(すずめ)」→男声のリズムパート「ディンディカ…」非常に安定している。各パートの声がよく混ざり合っていて、課題曲同様安定感がある。sop.は細かい音符も上手く処理できている。「ガガガ…」は高く、細かいため難しいが、やや発声がきつそうだった。pでもロングトーンでも安定感があり、技術の高さを感じさせる演奏。 2.札幌市立真栄中学校 課題曲→人の配置が何だか不思議…? 男声はやや下がるところが見られた。女声はさすがだが、例年よりは落ちる印象。2番の男声主旋律よく歌えているが、力みも感じる。女声は跳躍・ロングトーンやや下がりがち。あとは曲全体として一本調子な印象。 自由曲「青」→入りの音やや乱れたが修正した。ただ何となく人数(声量)にモノを言わせた演奏といった感じがある。下声は自由曲の方がきれいに歌えている。発声面などの問題は特に感じないが、曲全体として、真栄にしてはあまり深く練れていない演奏であった。 3.郡山市立郡山第二中学校 課題曲→情感のある入り。sop.は高音でもよく安定している。男声は深みのある声で良いのだが、こもりがち。もっとクリアな発声がほしい。昨年よりはさすがに落ちる。 自由曲「Salve Regina」→素晴らしい入り。この学校はやはり宗教曲が得意だ。ten.が課題曲よりもクリアな発声になった。sop.入りがたまーに不安定なところがあるが、破綻は特にない。 4.熊本市立錦ヶ丘中学校 課題曲→悪くないが、技術面ではさすがに前の3校に劣る。altoかmezzoか分からないが、下声がたまに喉で押している。だが、それも演奏が進むにつれ良くなってきた。この団体の中心はsop.かな?上手です。 終盤のsop.「ah_」の跳躍は上がりきらなかった。全体としては、気持ちのこもった好感の持てる演奏。下声がよくなればかなり化けそう。 自由曲「南天の蝎よもしなれ…」/「双子座のあわきひかりは…」→課題曲同様に好感のもてる演奏。やはり下声がたまに喉で押す。課題曲同様sop.は上手です。パワーはあるので、精度があがるとこの学校は賞に絡むかも。全体的に和音よく鳴らせていた。ちょっとラストの入りが乱れたがきれいにまとめた。 5.熊本大学教育学部附属中学校 課題曲→良い入り。言葉をきちんと歌っている。表現もさすがに巧み。男声は素直かつ深みのある良い声に仕上がっている。「生きていくよと」などaltoが中盤以降何度か飛び出すことがあった。sop.情感あふれる演奏。たまに男女のテンポがズレるところが惜しい。 自由曲「贈物」→ten.のみで歌うところ非常によく歌えている。昨年の自由曲ten.soloの2年生が残り、レベル高い。4声になるところも非常にきれいにハマっている。男女ともレベルの高さを感じさせ、それぞれが上手く溶け合っていて、素晴らしい調和を生んでいる。曲の流れもうまくつかみ、安定感も抜群! ラストsop.入り乱れた感じがあったが、好演! 6.春日部市立豊春中学校 課題曲→sop.よく歌えている。altoのメロディーはやはり高いか、キツそう。男声安定している。1番ラスト和音(Gm)はもう少し決められるはず。2番の男声主旋律はもうちょっとメリハリをもって歌いたいところ。sop.ラストの「サヨナラは…」上手に歌えている。全体として上手いのだが、もう少し、何か惜しい演奏。 自由曲「貳の段」→入り男声よく歌えている。各パートとも課題曲よりも伸び伸びと歌っている印象。かつ、安定感のある演奏に仕上がっている。とてもきれいだがpでも歌詞をもっと聴かせたい。密な和音がきちんと鳴っている。solo(?)は頑張ったのだろうが、岐阜と比べてしまうと、さすがにそこまでは舞い降りていない(苦笑)。 7.斐川町立斐川西中学校 課題曲→1人1人が力があるなということは感じるが、女声もうちょっと細かいところ練れた。力みからかピッチが不安定。男声は安定している印象だが、女声につられて下がる場面あった。全体的にもっともっと練れたな、という演奏。 自由曲「須佐之男(八俣の大蛇)」→男声、密な和音をきちんと鳴らしている。女声は自由曲の方が安定している。高音でもうちょっと歌詞を飛ばしたい。後半は持ち前のパワーが上手くハマった。課題曲・自由曲ともにもっと曲の流れを考えられると良かった。 8.福島市立福島第一中学校 課題曲→言葉を大切に歌っている。男声良くも悪くもさりげない。女声はなーんとなく安積黎明的なものを感じる。2番の男声主旋律は女声と比べると(声量、音程とも)落ちる。男声はところどころ発声が苦しそう。 自由曲「どんぐりのコマ」→女声の入りとてもきれい。bass安定している。自由曲の方がレベル高い演奏。男声も課題曲に比べ伸び伸び歌っている。女声は高音でも無理のない発声で、非常にレベル高い。 9..三重大学教育学部附属中学校 課題曲→sop.やや息漏れしている感じ。男声は伸び伸び歌っているが、音の安定感がほしい。声はきれいだし、表現も考えられているのだが、全体的にピッチ・音程に課題。たまに走るところもあった。 自由曲「都の春」→自由曲の方が練られている。下声大人っぽい! きれいな女声合唱です。音程・ピッチともに自由曲の方が正確。表現は相変わらず考えられている。 10.高知学芸中学校 課題曲→丁寧な入り。alto「つばさは~」メロディー高いがやや雑。各パート16分で走りがち。1番ラスト「空へ」和音決めたかったところ。2番男声主旋律、丁寧に歌おうとはしているが、ちょっとスカスカな印象。「永遠など無いと~」あたりでsop.が平坦な感じになってしまった。全体的にピッチが下がりがち。 自由曲「幻想喜歌劇「船乗り」から格闘の場面」/「黄色い鳥のいる風景」→力強い入りだがalto押しすぎ(2曲通じて)。男声は素直な発声で好感はもてる。sop.はなかなかよく歌えている。途中から男声消えた?女声に消された? 課題多いが、三善作品とはいえ混声三部で全国に出たことは評価できる。 11.神戸大学附属住吉中学校/神戸大学附属中等教育学校 課題曲→全体としてもっと密な声にしたい。「つばさはー」などaltoがどうしても喉で押しがち。1番ラスト「空へ」やや低い。動きのある演奏では、聴いている人を飽きさせない演奏だったが、それだけに喉声が致命的だった。 自由曲「会津磐梯山」→入りよく揃っているが、もうちょっとピッチ高めか? でも自由曲の方が上手です。この曲は喉声でもまぁ良いかもしれないが「ロロロ_」とつないでいくところは、きっちりと声質合わせてつなぎたい。sop.高音でもよく歌えていて、きれい。力はあるので、もっと音楽づくりをしていけばかなり伸びそう。 以上が全11校への講評です。 そして以下が審査結果(by☆Shinta☆)です。 <課題曲>(5点満点) というわけで郡山二中がNコン2連覇を成し遂げたコンクールでした。ただ私は3位につけました。確かにとても上手かったのですが、個人的にこもり声は好みではないというのもありましてね…昨年は文句なしの金でしたが。といっても自由曲ではさすがに郡山二中って感じでした。 熊本大附中は予想どおり2位の銀賞でした。昨年「IV(どちりなきりしたん)」でsoloを歌ったten.の子は今年もten.を引っ張っていました。当時2年生だったとは驚きです! 来年こそ金賞に届くかどうか!? 銅賞は真栄と福島一でした。真栄は個人的には「今年は賞外だな」と思いました。男声の質の低下もそうですが、今年は頼みの綱の女声の自由曲も消化しきれていない印象でした。結果的に銅賞取りましたが、三沢真由美先生には再びかつての栄光を取り戻してほしいものです。福島一中は初出場で銅賞でした。福島県ってだけで郡山二中みたいなレベルで出てくると勘違いしていましたが、さすがにそんなことはなかったですね。笑 松戸一中は個人的には好みでした。金賞を付けながらも賞外でしたが、どうもフレーズの取り方が作為的・声があまり飛んでこなかったということが言われているようです。錦ヶ丘中も好きでしたね。sop.中心に好感のもてる演奏でした。豊春中は「まぁまぁ」って感じでした。上手いけど決め手がないみたいな感じですね。チカマツの後半allカットはやはり物足りないですが、良い演奏でした。斐川西は期待していましたが、ちょっとあまり練れていないかなという感じでした。三重大附中は課題曲と自由曲でまるで別人でした 計算上(?)自由曲のレベルで課題曲も歌っていれば4位で銅賞だったんですから…どうも三重大附は小学校も中学校も課題曲がネックですねぇ…。 高知学芸は今回は初出場ということで、あまり高いレベルは求めていませんでしたが、伸び伸びと歌ってくれました。住吉は昨年も今年も最下位に付けましたが、来年あたり賞に絡んできそうな気がしますね。期待したいところです。 そういえば講評の中に「自由曲の方が上」「課題曲よりもよく歌えている」みたいなことを沢山書た気がしますが、これはまさに今年の中学校の部の特徴であったように思います。つまり何が言いたいかというと、今年の中学校の部で課題曲「YELL」を歌いこなせている、消化しきれている学校は無かったということです。入賞校も然り。決して課題曲を軽視したとは思いません(実際意外と技術的にも難しい曲です)が、各校はそこのあたりを課題に頑張ってもらいたいですね それにしても来年の課題曲は大塚愛って…ハハハ 編曲は誰ですかね…良い課題曲ができることを祈っております (次回は高等学校の部です) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009/10/17 12:03:24 AM
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