テーマ:フランス文学(162)
カテゴリ:文学
アンスティチュ・フランセ東京にてR.先生の講義。ロラン・バルトRoland Barthes『表徴の帝国 L'empire des signes』。9回シリーズの第5回。
◆このメモをご覧になる方へ◆ 講義や作品に直接関係のないメモも時折含まれます。あまり参考にしない方が良いかもしれません。 この日は、5番目の断片「Baguettes お箸」と6番目の断片「La nourriture decentree 非中心型の食べ物」7番目の断片「L'interstice 隙間」が題材となる。前週に引き続き、日本料理のことを記している。各断片それぞれに、米食、すき焼き、天ぷら、とテーマらしきものが見られる。 相変わらず難しい…しかし、何となくロラン・バルトの記述=エクリチュール ecriture の意義が把握できてきたような感触がある。その感触自体をうまく説明できないのがもどかしいところだが、ロラン・バルトと対極とも言えそうな、ある人物とその著書を比較対象にすれば、足がかりになりそうだ。 手もとに、日本のフランス料理研究家・辻静雄が著した『ヨーロッパ一等旅行』がある。1984年の新潮文庫版だが、元は1977年に出版された書籍だったらしい。 辻はフランス料理に精通しており、それを細かく描写して日本人へ伝達しようとしている。材料、調理方法、料理人、さらにサービスの仕方など、料理に関するあらゆる歴史的根源を追って、膨大な外国語の文献を自ら読み解いてもいるようだ。 一方で、『表徴の~』のロラン・バルトは…。訪日の経験は一切なく、予備知識も完全にゼロ。目の前に出てきた日本の料理から受けた感覚を、サラリと書き留めている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.05.21 15:37:40
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