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平成19年度 生物工学分門 専門科目 解答解説
解説の著作権は私にあります。自由にご覧になっても結構ですが、広く使われる際には声をかけて下さい。 なかなか生物工学部門の解答・解説って出版されないんですよね。 IV-1 答え4 ペントースは野生型のSaccharomycesではエタノールに変換できない。ペントースを代謝できるEscherichia属などの遺伝子を導入した遺伝子組み換え酵母ならば、五炭糖をエタノールに変換できる。 分野 発酵工学 バイオマス バイオマスエタノール IV-2 答え2 1、コラーゲンは脊椎動物発生以前から存在し、生物の多細胞化に寄与している。線虫にも存在する。 3、コラーゲンのアミノ酸組成はグリシンが約1/3を占め、プロリン及びヒドロキシプロリンが21%、アラニンが11%。コラーゲンの強固な水素結合と高次構造にはプロリンとヒドロキシプロリンが必須。 4、コラーゲン分子は多くの分子が集まって繊維状となっており、相互に強く結びついている。 5、コラーゲンはコアタンパク質として、一本、あるいは多数のグリコサミノグリカン鎖と結合し、プロテオグリカンの構成成分となる。 分野 細胞生物学 細胞間接着 IV-3 答え1 1、プロトプラストは細胞壁を除いたやわらかい植物細胞。形質転換はプロトプラストPEG法と呼ばれる手法でプロトプラストにDNAを取り込ませる。 糸状菌の形質転換に一般的な手法。 茎頂培養はウイルスフリーの植物を作出するための手法。 2、アグロバクテリウムによる形質転換では、無菌植物の切片をアグロバクテリウム液に浸した後数日間共存培養する。その後、選抜培地に移し2週間毎に植替え、10週間後伸長培地に移す。 3、Tiプラスミドはアグロバクテリウムがもつベクターである。 4、HPTとはハイグロマイシン耐性のことである。 5、CaSV35Sプロモーターは植物の形質転換によく使われるプロモーターである。 IV-4 答え4 Gタンパク質は細胞膜を7回貫通するタンパク質である。したがって細胞膜に局在する。 IV-5 答え4 脂質代謝の問題。 ω3、ω6位の不飽和脂肪酸は必須不飽和脂肪酸である。ω酸化とは言わない。 肝臓細胞での脂肪酸の代謝は基本的に参加反応であり、最も一般的な方法はβ酸化である。β酸化はミトコンドリアにて行われ、長鎖脂肪酸はアセチル-CoAに変換される。アセチルCo-Aはミトコンドリアに取り込まれ酵素系(電子伝達系ではない!)で代謝される。1モルのアセチル-CoAはTCA回路にて1モルのATPを生成する。 IV-6 答え3 光エネルギーを吸収し色素分子を励起して水分子をプロトン供与体として物質の酸化還元反応を行うのは「明反応」 炭酸同化反応は「暗反応」 但し、炭酸同化反応自体には光は必要ないものの、光照射により暗反応が促進されることもある。 技術士第一次試験問題集(平成19年度(第24回)) 技術士第一次試験問題集(平成15年度(第20回)) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.02.08 21:37:20
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