カテゴリ:試験前の追い込み
IV-7 答え5
グルコースの分子量は180。したがってグルコース100gは0.55モルである。 1モルのグルコースから2モルのエタノールと2モルの二酸化炭素ができるので、100gのグルコースからは0.55×48×2=52.8gのエタノールと0.55×44×2=48.2gの二酸化炭素ができる。 グルコース1モル当たりの保有エネルギーは2872kJ、エタノール1モル当たりの保有エネルギーは1369kJなので、 1369×2÷2872*100=95.3% 分野 生物化学 代謝 IV-8 答え3 Oscillatoriaはユレモ目で藍藻の仲間。湖沼の水質汚濁の原因となるアオコの発生に関与する。アオコは時に有毒である。 Mucorはケカビで強いタンパク質分解能をもつ。Candidaは日和見感染を起こすカンジダ症の原因となる酵母。Streptomycesは抗生物質の大部分を生産する細菌で、放線菌の多数を占める。Aspergillusは麹に使われる。ごく一般に腐敗を起こすカビだが、水中では育たない。 分野 細菌学 発酵 IV-9 答え5 藻類培養試験は下水処理後の汚水などがどの程度富栄養化していて、アオコなどを発生する可能性があるかを最適条件で培養して確認する試験。 藻類が育つのに必要な塩類が豊富だと試験後の水には多くの藻類が育つ。リービッヒの最小律は、植物の成長速度や収量は、必要とされる栄養素のうち、与えられた量のもっとも少ないものにのみ影響されるとする説。したがって藻類培養試験を行う事により制限栄養塩の推定を行う事もできる。植物の栄養塩類は窒素・リン酸・カリウムの3要素なので、廃水処理で脱窒、脱リン処理操作の効果があったかどうかも判定できる。 但し、変異原性の判定はできない。 一般に変異原性はサルモネラ菌を使ったエームス試験で確認される。 IV-10 答え1 ノロウイルスは動物細胞では培養できない。したがってワクチンを作る事も困難である。現在ノロウイルスについて推定されている内容は近縁の猫カリシウイルスを使った実験によるものである。 分野 ウイルス学 病理 細胞培養 IV-11 答え3 Thiobacillusは硫黄酸化細菌で、硫酸を生成してコンクリートやコンクリートの芯の鉄材を腐食する。Thio は硫黄を代謝する細菌につける接頭辞。硫黄を代謝する菌はほとんどの場合鉄を腐食したり、硫化鉄を作ったりするので産業上は有害。 Nitrobacterは硝酸菌。偏性嫌気性菌では、亜硝酸を硝酸に酸化することで得られるエネルギーを用いて炭酸固定を行うプロテオバクテリアの一群。土壌や水中にいる。 Enterobacterは腸内細菌科の通性嫌気性菌でブドウ糖から酸とガスを発生する。 Microcystisは藍藻の一種でアオコの原因菌 Bacillusはご存知のとおりの芽胞菌。好気性でカタラーゼ陽性。 分野 細菌学 嫌気性菌 IV-12 答え4 アミラーゼはでんぷんをグルコースに分解する酵素。セルラーゼはセルロースを分解し、植物体をやわらかくする。インベルターゼはショ糖をグルコースと果糖に分解し、浸透圧をあげる。グルコースイソメラーゼはグルコースを果糖に変換する。産業上は果糖のほうが甘みが強いので食品に使われる。ペクチナーゼはペクチンを分解する。果物を柔らかくし、果汁の回収率を上げる。 アミラーゼの起源はクモノスカビRhizopusやAspergillus。ヒトでは膵液に多量に存在する。でんぷんを加水分解してグルコースやオリゴ糖を産生する。 セルラーゼはトリコデルマが多量に生産する。安価なセルラーゼはバイオマスエタノール製造の実用化に不可欠。 インベルターゼは別名サッカラーゼともいい、スクロースを分解してグルコースとフルクトースにする。ヒトでは小腸に、微生物、植物にも広く分布する。スクロースを加水分解すると甘みが増すため、産業的には転化糖製造に使われる。 グルコースイソメラーゼはグルコースをフルクトースに変換する。広く生物界に存在するが、産業的にはStreptomyces属などの放線菌から得られるものが有名で、グルコースをフルクトースに変換して甘みを増す、異性化糖の生産に用いられます。 ペクチナーゼはAspergillus nigarから得られる酵素で、植物自体も持っています。植物体の中で働くときには腐敗を早めるとして嫌われますが、果汁の製造時には回収率を上げるために添加されます。 分野 酵素学 微生物学 IV-13 答え1 血中の銅の輸送はセルロプラスミンが行います。チトクロームC(シトクロームc)はミトコンドリアや原核生物の電子伝達系に関与する酵素で、心臓の筋肉などに多量に含まれます。 IV-14 答え2 連続培養とはバッチ式ではなく、培地などを連続的に補給し、培養液を抜き取る(=ブロースアウト)する手法で、得られた菌体が均一ですが、コンターミネーションが起きたときに全体が汚染される恐れがあります。実用的には微生物または培養細胞を固定化し、バイオリアクターとして用います。 回分培養=バッチ式培養です。研究室などで一番一般的に行われている培養法で、小スケールで菌を純粋培養したあと、次第にスケールをあげて培養し、集菌する手法です。コンターミネーションしたバッチだけ廃棄できるので、汚染には強いのですが、それぞれのバッチ間差が出ます。 反復回分培養とはバッチ式でも比較的シード量(種菌)が多く、植え継ぎを次々に行う手法です。連続培養と回分培養の中間的なものとお考え下さい。 流加培養とは半回分培養ともいい、バッチ式で培養しているところへ不足しがちな養分などを加えていく培養方法です。培養のコンディションを一定に保つ事ができ、安定した培養を行う事ができます。 これら4種の培養は、基本的には純粋培養を行うものです。 集積培養とは、混合状態の生物叢に対して薬剤や温度など物理的、化学的条件を加えて、特定の条件にのみ適応する微生物集団を選択的に増殖させるものです。 飽和食塩水中で増殖する高度好塩菌や高い温度で生育する好熱菌などを培養するときにも使います。 従って、集積培養のみが「混合状態」という点で、純粋培養を行う上記4種とは異なります。 ヴォート生化学(上)第3版 ヴォート生化学(下)第3版 詳細で辞書みたいに使える参考書です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.02.08 21:42:03
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