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カテゴリ:書物
「レイコ@チョート校」を読んで
こんな学校があったら絶対に入りたい! こんな学校でもう一度勉強し直したい! と思う本に出会いました。 チョートといえば、米国では知らない人はいないトップレベルの有名私立進学校です。それはただ入学するのが難しいというだけではなく、真の教育・人格形成の場を提供する教育機関ということで有名なのです。 この本はチョート校で2年間を過ごした岡崎玲子氏が、その稀有な体験を16歳という初々しい感性で綴ったものです。 たとえば、ある日の世界史授業ではクラスでディスカッションをします。テーマは、「もし、その昔日本が元国(元寇って昔習いましたよね?)に占領されていたら、今の日本はどうなっていただろう?」です。もちろん元寇の事実を調べ、自分なりに考え、導き出した自分の解釈は相手が納得するような明瞭な形で表現することが大前提です。 このようにテーマを深彫りし、様々な意見や論議を交わしていくと、「元国が二度も日本を占領せんと押し掛けたが、嵐のおかげで日本は占領されずにすんだ。」という、今の自分には何も関係がないように見える史実を自分に引き寄せ、自分のこととして考え深めていくことができるのです。当時の日本と世界との関係、国内の混乱、国家リーダーの決断など、そこで導き出される解釈の多くは、現在の政治や世の中の動きや解決策にも通ずるのではないでしょうか? 一般的によく見られるような、(先生から)一方的に講義を聞き・(生徒が)ひとつの答えをひたすら覚える、というのではなく、全科目において先生のサポートやアドバイスを基に、生徒自身が調べ、考え、ひとつではないかもしれない答えを自らの意思で導き出していく、というユニークな教育を伝統的に続けていることが印象的です。 日本の学力が落ちた、とよく言われますね。それは暗記物だったり、計算だったり、答えがひとつのもので教科書や参考書を丸ごと覚えれば、満点が取れて褒められるような学習への比重があまりに大きく、ひとつの事実から深く考察し、納得解を見つけていくという実践的学習がおろそかになっている結果ではないでしょうか。 もちろん、戦後日本経済の大きな発展は、これまでの教育が大きな貢献をしてきたはずですから、一概に否定はできません。ただ国際社会が大きく変化していくなか、今後日本が先進国リーダーの一国として国力を高めていくためには、間違いなくチョート式学習が求められているように思えてなりません。こうした生きる知恵や力を学べるような教育が日本でスタンダードになれば、今の課題が多い日本社会、国際社会を引っ張っていけるような人材(人財)がもっと増えていくのでは、と期待もしてしまいます。 でもこうした教育機関は日本でも近い将来必ず生まれると思っているのです。こんな学校を創るプロジェクトがあったらぜひ手伝いがしたいなあ~、と思う今日この頃です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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