カテゴリ:┌ 詩
亡くなる10日前
高熱が一時的に下がった父が やっとの思いで50音ボードを指さす 「ら」「い」「と」 ベッドの枕元のライトのことだった 私が紐を引っ張ると、つく もう一度引っ張ると、消える 父に促され、何度か繰り返した 意識が朦朧としていただろうに それを見て、父がとびっきりの笑顔を見せた らいと light 「光」 その時は、わからなかったけれど きっと、父から私へのメッセージ 太陽の光は、神さまのもの 病室の電灯は、看護師さんの担当 でも枕元のライトは 自分でつけることも、消すこともできるんだね 心の中 自分でライトの紐を引っ張れば いつでも明るい光に照らされるんだね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.06.27 15:57:46
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