カテゴリ:母との確執
水曜日の朝ドラで、主人公の娘が、返されたテストの点数を31から84に書き換えたシーンがあった。
それを見た瞬間・・・いきなり呼吸が苦しくなった。過呼吸だ。 ああ、もう忘れていたのに、忘れたはずなのに、蘇ってしまった60年も昔のこと。 小学生の時、母は返却された答案用紙を見て、点数が80点未満だと竹製のものさし (定規)で私を叩いた。 「こんな点を取って! お母さんが笑われるんですからね‼」 鬼の形相で、バシッと腕や肩のあたりを叩く。 長々と説教をされ、抓られたこともあった。 平均点が65点くらいの難しいテストでも、誰もが90点以上取れるほど簡単なものでも、基準は常に80点。 徐々に私は点数の悪かった答案用紙を、学校に置いて帰るようになった。 でも、ある時それを見つけたクラスメートが担任に言いつけ、 担任に叱られてからは、考えたあげく、帰り道に破いてドブに捨てるようになった。 その時の後ろめたい気持ちは、今でも忘れられない。 悪いことをしているのは解っている。 捨てる姿を誰にも見られないように下校時間を友達とずらしたり、いつもは通らない道のドブを選んだり。 そのうち、答案用紙を前にすると、解っていても緊張で頭が真っ白になるようになった。 実力を発揮できず、母に叩かれることに、ただただ怯えるようになった時は、まだ11~12歳。 予習も復習もしたのに、答案用紙を前にすると、頭がこんがらかった。 朝ドラでは、翌木曜日に、主人公が娘に詫びるシーンがあった。 親だって、大人だって、間違うことがある。 いや、人は間違いを起こすまいと思っていても、咄嗟に間違った方を選んでしまうことはある。 この年齢になっても「いつも正しく」なんてあり得ない。間違っては学び、学んだくせにまた間違う。 大人になって、父が母を諭してくれた時、母は絶対に私に謝ろうとはしなかった。 自分の非を認めることは、プライドが許さなかったのだろう。 忘れようと思っていた、あれらの日々。そして実際、記憶の奥底に埋もれさせてもいた。 でも、ドラマのワンシーンで蘇り、また呼吸が苦しくなるなんて・・・。 しばらく唖然となって、自分がどこにいるのか、解らなくなっていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月12日 12時00分12秒
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