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カテゴリ:poem

       『キズキ』


     ぼくは自分が馬鹿だということをよく知っている。

     しかし、残念なことに、そんなことを知っていてもどうにもならないのだ。

     時々、ぼくの身体はぼくの頭脳からはなれていってしまう。

     頭脳には手をつけられなくなるほどだ。

     頭ではわかっているのだ。

     しかし、実際やっていることは、どうだろう。

     やっているその時は、何を、どんなことをやっているかわからないのだ。

     行動と思想が一致しないのだ。

     まるで子供ではないか、自分で自分の身体をうまく動かせないなんて。

     だたら、ぼくは自分が馬鹿だということをよく知っている。

     しかし、残念なことにそんなことは自慢にならないのだ。



            Copyright(C) 1973 HOKUSUI-SHA All Rights Reserved.
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 この拙いメモは、わたしの記念すべき第一番目のノートの片隅に刻まれたある断章である。端っこに9/27と銘記されている。17才、高校3年生の時だ。表現は拙いし、詩も文学も何も知らない、素人の生の声の表出である。それは、やや弱い筆圧の鉛筆で、つぶやくように丁寧に書かれている。ゆっくりした足取りで、一つ一つ確認するかのように刻まれている。

 しかし、振り返れば、ここがわたしのポエジーの原点であったように思う。誰かの詩や文学の真似事ではなく、自分の中から出てきた言葉たちを、ただ書き記していく。詩や文学が、表現者の内側から自ずとあふれ出てくるものだとすれば、そのポイントだけは踏まれている。

 何故かその断章が、今日蘇って来た。特に何があったわけではない、ただ何気なく…。ふと、それを、今日ここにUPしようと思った。そして、題名だけが今の今、付けられたばかりの作品となった。

 「キズキ」とは、「傷来」であり「傷気」であり「傷記」であるのだ。文学や芸術は、往々にして人間の負の部分の刺激から発生しやすいものである。意識や自我なんていうものも、何らかの負の体験から立ち上がって来るものである。しかしそれらは、始まりとしてのアクセントとして必要な、少量の毒なのではないか。それは「キズ」であり「刻み」である。

 始めは題名を『初心』にしようかと思った。「初心忘るべからず」と言う。その言葉は、初々しく溢れるエネルギーを放っている。しかし、この諺は戒めの言葉でもある。「初心」とは何だろう?  ただ、ただ意気込みに満ちただけのものではない。そこには謙虚さがあり、不安に満ちた心情もある。そこへと導かれる「蒙《無知》」も「キズ」もあったことだろう。

 そんな思いが募って来て、拙い断章であるが、ここに作品として上梓することにした。自分自身への「キズ」の刻印として。忘れないように。当然ながら、この作品が示すような心許ない心情は、未だに、事や時に応じて良く見舞われているものである。

 この作品は、そんな今の自分に対しても、充分わたしには腹に効く特効薬なのである。


     陽が落ちる。。






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Last updated  2005/10/16 10:15:55 PM
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