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2024年07月05日
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カテゴリ:絵本
どちらもウクライナの昔話。
図書館の絵本コーナーでこの二冊を見つけて借りてきた。
両方とも同じ作者の絵本である。

​​「わらのうし」 ウクライナの昔話 (世界傑作絵本シリーズ)
内田莉莎子/文 ワレンチン・ゴルディチューク/絵 福音館書店

東欧の作品の翻訳を多数手がけていらっしゃる内田莉莎子さんが文を書き
数々の美術館に作品がコレクションされている、ウクライナの著名な画家
ワレンチン・ゴルディチューク氏が絵を手がけ、1998年に福音館書店で
制作された絵本です。

「わらのうし」は、昔話の宝庫といわれるウクライナで
最も愛されている昔話だそうです。

あるところにびんぼうなおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんはタールをつくり、おばあさんは糸をつむいで
暮らしていました。

ある日のこと、おばあさんがおじいさんに
横っ腹にタールを塗ったわらのうしを作っとくれと頼みました。
わらのうしができあがると、おばあさんは丘の上に連れて行き
「おいしいごちそうたっぷりお食べ」と唱えると
糸をつむぎながら、居眠りをはじめました。

すると怪我をしたくまがやってきて、怪我のところにタールをぬろうと
わらのうしのタールをはぎとろうとしたところ、くっついてはなれられなくなりました。
目をさましたおばあさんは、「うちのうしがくまをつかまえたよ」と
おじいさんを呼びました。おじいさんは、くまをあなぐらにとじこめました。

つぎのひは、怪我をしたおおかみが、みっかめは怪我をしたきつねがやってきて
わらのうしにつかまり、おじいさんがあなぐらにとじこめました。

おじいさんは動物たちの前でナイフをとぎながら、毛皮を作るとひとりごとを
言っていました。
動物たちはお礼の品をもってくるから逃がしてくれと頼みます。
おじいさんは、動物たちを信じて一匹ずつ逃がしてやりました。

次の日の朝、くまもおおかみもきつねも、はちみつやらひつじやらにわとりやら
どっさりとお礼の品をもってきました。
それから、おじいさんとおばあさんは、幸せに暮らしました。
わらのうしは、丘の上にたちつづけ、やがてくずれてなくなりました。

わらのうしは、自分を作ってくれたおじいさん、本物の牛のようにかわいがって
くれたおばあさんに、お礼をしたのでしょうね。
おじいさん、おばあさんが幸せになるのを見届けて、土にかえっていったのですね。
わらのうし、おじいさん、おばあさん、動物たち、みんなやさしくて
心あたたまるおはなしです。

ワレンチン・ゴルディチューク氏の絵は、線画と色づかいが柔らかな雰囲気です。
A3スクエサイズより少し横長の大型絵本で、広げると横が約60cmにもなり
広げた状態の画面を使って描かれた絵は、大変躍動感があります。

帯の袖に書かれているゴルディチューク氏のコメントには
「長い時間がかかり、多くの困難がありましたが、大きな喜びをもたらしてくれました。
この昔話が日本の子どもたちに紹介されて幸せです。」とあります。
日本のために心をこめて描いてくださったことに感謝です。




「セルコ」ウクライナの昔話



とても年をとった犬のセルコは、「おまえはもう役立たずだ」と、お百姓の家から追い出されてしまいました。
途方に暮れたセルコが、野原をうろついているとオオカミがやってきて言いました。
「主人がまたあんたを大事にしてくれるように、おれが手をかそうじゃないか」と。
刈り入れがはじまった日に、オオカミはお百姓の赤ん坊をさらって逃げました。
そこへセルコが飛び出し追いかけ、赤ん坊をとりかえしました。
涙をながして喜んだお百姓夫婦は、「もう二度と追い出したりしないから」といって、セルコにごちそうをしました。
「ああ、友だちはありがたい」と、セルコは何とかしてオオカミに恩返ししたいとそればかり考えていました。
するとお百姓の上の娘が結婚するという願ってもない機会が訪れ、当日の夕方、セルコはオオカミを家にこっそり招き入れます……。
 犬とオオカミの友情物語ですが、ユーモアたっぷりで、昔話の宝庫といわれるウクライナの文化のすばらしさを思う存分に味わえる一冊です。


ウクライナの絵本は、今調べてみたら「てぶくろ」と「はりねずみと金貨」くらいしか読んでないような気がする。
でも、やはり戦争にまつわる良い絵本が何冊もあるようなので、機会があったら手に取ってみたい。





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最終更新日  2024年07月05日 08時41分06秒
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