■ ドラマ　永久の彼方へ

.
空港警察隊員
　　「き、きみ、大丈夫かね・・・・？」

こういち
　　「おいらは大丈夫です。　この騒ぎは・・・・？」
空港警察隊員
　　「最近多発している格闘家を狙う一味の仕業だろうね。
　　　格闘家がそれを恐れ、国外に逃亡を始めているらしい。　それで・・・・」
こういち
　　「ここでこのような事に・・・・ですか。」
空港警察隊員
　　「えぇ、数日前からここでも襲撃事件が数件起き始めていました。
　　　こんなに一度には今日が始めてです。」

　数人の隊員の立ち並ぶ後方から空港警察一課長が現れた。

空港警察一課長
　　「きみ、きみがこういち君かね。」
空港警察隊員
　　「一課長、ご存知なのですか？」
空港警察一課長
　　「私も初めてお逢いするのだが、例のビル崩壊事件で・・・・」
空港警察隊員
　　「あぁぁ、思い出しました。　南こういち君、そうだ、映像でも。」

　サイレンを響かせ、救急車が到着する。

ゆうすけ
　　「到着早々、この騒ぎ。　なんだかここ最近頻発しているらしいぜ。」

　こういちのリュックを持った利江と共にこちらに向かって歩きながら
　こういちに話すゆうすけ。

空港警察隊員
　　「ほら、この少年も。」

空港警察一課長
　　「ゆうすけ君・・・だね。　そしてこういち君、
　　　改めて自己紹介する。私はここの空港警察の第一課長の久永と申します。
　　　ゆうすけ君はお父様が警察官だよね。」
ゆうすけ
　　「えぇ、でも・・・・」
空港警察一課長
　　「私はね、北見刑事には良く柔道の試合で投げられていたものだよ。
　　　中々勝ちを拾えなくて。
　　　ゆうすけ君とはその会場で２度会っているよ。まだ小さかったけどね。」
ゆうすけ
　　「そうでしたか。急に有名人になってしまってビックリしてました (^ ^* 」
こういち
　　「それより課長さん、
　　　今後もやつらは今日と同じように格闘家を狙って出没すると思います。
　　　みなさんが手にしている伸び縮みするスチールの棍棒だけでは、襲われると太刀打ち
　　　できません。
　　　装備は麻酔銃とかを常備しないと。」
空港警察一課長
　　「なるほど、上層部に打診してみよう。」

ゆうすけ
　　「けが人のほとんどがダメだ。　みな格闘家ってことかよ・・・・。
　　　それで歯が立たないんだから、みなさんもしっかりとした装備で。」
空港警察一課長
　　「ありがとう。」
こういち
　　「では我々はこれで。」

　空港警察隊の見守る中、３人はロビーを後にした。


～～～
　　　～～～
　　　　　　～～～


アナウンスの兄さん
　　「さぁさぁ次のチャレンジャーは居ませんか～？　勝てば賞金１００万ですよ～♪」

　３０cm程の高さで畳６畳分程のスペースの台に、男性が二人立っていた。
　派手でデカい蝶ネクタイ姿のアナウンサーのお兄さんと、審判のような人、
　そして横にはブルーにシルバーラインのチャイナ服が眩しいリツコの姿が。

　その前には、テーブルが一つ。

アナウンスのお兄さん
　　「さぁ、腕相撲でこのお姉さんに勝てば、賞金がもらえるよ～♪
　　　参加費用は３０００Ｂゼニー。次のチャレンジャーの方はおりませんか～？」

　格闘家の襲撃事件が多発している中、街は不安な中にもいつもと変わらないにぎわいを
　見せている。

参加する男性
　　「おれがやる。」

　　手を上げて意志表明をする男性一人。

アナウンスのお兄さん
　　「はい、ありがとうございます♪　手をあげたそこの方、こちらに上がって来て下さい♪」

　参加意志を表明した男性が、壇上に上がってきた。
　3,000 Bゼニーを渡し、壇上中央に。　

アナウンスのお兄さん
　　「お兄さん、ガタイがいいですね～♪　何かスポーツでも？」
参加する男性
　　「えっと、ラグビーを６年ほど。」
アナウンスのお兄さん
　　「そうですか、ラグビーを。
　　　ではその体格を生かして、是非賞金を手にしちゃって下さいね。」

審判（六郎太）
　　「では二人、向かい合って。」

　参加した男性が中央のテーブルに歩み寄る。　そしてリツコもまた同様に。

　相手に微笑みかけるリツコ。参加した男性の頬がほんのりとピンク色に染まる。
　審判の催促で左右両端に突き出た太さが約直径3cm、高さが12cm程の突起棒に左手を添える。
　そして右手のヒジをついて、お互い握り合う。
　一段と頬を赤く染める男性。
　掴んだ手、握った棒、立ち足の位置などをにぎり直したり、足を小刻みに移動したりと
　細かく調整していた。

アナウンスのお兄さん
　　「さぁ、準備が整ったようです。　それでは始めましょう。。。」

審判
　　「手首を緩めて・・・・」
　　二人が握る拳をくるくると数回回して真っ直ぐ立ったところ
　　で両手で止めて固定した。
審判
　　「レディーーー・・・・・ＧＯっ！」

　参加した男性は相手が女性となめているらしく、最初はゆるい力で相手の力量を測っている。

リツコ
　　「お兄さん、目一杯こないと終わりにしますよ。　ほら。。。」

　リツコは４５度辺りまでぐぐっと傾けた。
　男性は急に力を込め始める。
　しかし、傾いた角度に改善は見られない・・・・。

審判
　　「ファイトっ！　ファイトっ！」

観客
　　「兄さん、綺麗なお姉さんと手を握って幸せかぁ～？」

　『あははは。。。』

　観客が参加男性の不甲斐ない姿を見て野次を飛ばす。
　良く見ると、観客のその多くがリツコの横と後ろに多くが集まっている。
　なるほど、チャイナのスリットから綺麗な生脚がチラチラと見えている。

　つまり、脚フェチは横、お尻フェチは後ろ・・・・という構図なのであろう。

　時折、カメラのフラッシュもたかれていた。

　壇上では顔を真っ赤にした男性が腕をブルブルと震わせながら汗だくになっていた。


観客
　　「兄さん、3,000 Bゼニー分は握っただろーーっ
　　　早くしてくれ、次は俺なんだぞーーーっ！」

　『あははは。。。』

　再び会場からの野次と観衆の笑い声。

リツコ
　　「はい 時間切れね、残念。。。」

　ダン★

　ゆっくりと腕を倒し切るリツコ。
　
　『おぉぉっ』　　観衆から歓声が上がったっ

審判
　「ウイナー、リツコっ！」
　リツコの右手を上げて、勝者を示す審判。

　参加した男性は、右腕を押さえて苦痛の表情をしていた。

　『彼女、つえーーーー！』　　観衆から拍手の祝福。

　観衆の喝采に、峨眉拳の拳套のさわりを見せ、最後はポーズで決めた。
　再びフラッシュ☆の嵐。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－




第135話　暗黒組織の総帥 現る　へ
　（こいつは手が早いから気をつけろよ）




　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。