カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
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プップー 車のクラクションが路地裏で鳴り響く。 そんな横をサラリーマンが急ぎ足で通過していく。 ここは暗黒の組織のアジトのあるビル街。 そのビルに付添い二人を引き連れて、おしゃれな黒いスーツに身を包みシルクハットを被って という出で立ちの男が入っていった。 地下4階に到着する三人。 正面の扉の右手前に出入りする人をチェックしている守衛の姿が。 守衛 「こ、ここは立ち入り禁止ですが・・・・」 付添い女 「無礼者っ!」 と発した言葉と同時に、その新米守衛に向かって手を伸ばし、人差し指を突き出すっ!! すると、目にも止まらぬ速さで、指先からエレクトリックな放電されたような電気が 守衛に投げかけられたっ! ビリビリビリ うわーーっ バタン この女性ともう一人の付添いの男性は、扉手前の手の指紋センサーに手を当てて扉を開けて 中に入った。 ところが、シルクハットに黒のスーツ姿の男は、扉手前で姿を消し、 次の瞬間には扉の中にいた。 研究所の中から、慌ててこちらに向かってくる白い研究服の男。 ニース博士 「これはこれは、ガイザー総帥、そしてブルーガー様、スワン様。 ようこそ。 お出迎えに上がりませんで、申し訳けございませんでした。」 ガイザー総帥 「構わん。 突然お忍びで参ったのだからな。 騒がせてすまん。」 紳士を思わせる優しい口調で語る。 スワン (付き添いの女 改め) 「守衛の教育がなってないっ 自分のボスも分らんとは。」 顔は歌舞伎役者の化粧のような黒と赤のラインが右目下から頬にかけてはっきりと見える。 髪は赤く、後ろに結ってある。細身でスラッとした体系。 黒いマントを身にまとい、時折見える足元は、黒いブーツを履いている。 紐で縛るタイプのようだ。 短気丸出しの激しい気性の女性らしい。 ブルーガー (付添いの男 改め) 「こいつは手が早いから気をつけろよ。」 こちらの顔にも女性同様の歌舞伎役者風のラインが見える。 髪は長く肩まで伸び、薄茶色。身長は180cmくらいの長身で横幅はふつうの体系。 出で立ちは薄手の西洋の甲冑のようにも見えるモノを身にまとっている。 冷静に落ち着いて判断するタイプらしい。 ニース博士 「それは失礼致しました。改めてしっかりと教育させます。 ささ、立ち話もなんですので、奥の部屋に。」 ニース博士を先頭に、奥に進む4人。 ~~ ~~ ~~ ブルーガー 「早速だが状況はどの程度進んでいる?」 ニース博士 「はい、スペック-3まで進められた者達が数名。 以下、スペック-2に難航しておりました。 取り込むDNA と受ける生身の体の相性が存在するようでした。 しかし、その後の新しいDNAでは、スペック-1から-2への変化は大変スムーズに 事が運び出しております。 それでも残念ながら、スペック-3への変化については大変難航している状況です。」 スワン 「限界に近いということか?」 ニース博士 「まだそうは考えておりません。 新たに変化した細胞がなじんでおらないうちから、更なる変化を起こそうとしている からだと考えております。 時間が足りのうございます。」 ガイザー総帥 「残念だが、時間は延ばせん。 今この国では、格闘家が上へ下への大騒ぎをしておる。 それをマスコミが騒ぎ立てておるのでな。 注目を浴びる手はずはうまくいっておる。 次のステップは、全世界の闇の取引きをしているブローカーを集めて、宣伝するのだ。 武器というモノではなく、人間をスーパーウエポンとして売り出す。 全世界に大々的に知らしめるのだ。 注目を浴びている今だからこそチャンスなのだ。 時間は延ばすことは出来ん。」 スワン 「そのスペック-3はどのくらい出来上がっている?」 ニース博士 「はい、体になじみが出来たモノの進化は目覚しく、能力はとても人間とは思えない 出来栄えです。 ですが、次期スペック-3見込み者1名、完成品としては、 第一号 リツコ 第二号 ザウバー 第三号 クラウス この3名だけでございます。 ところが、昨日、商品取引部に配属していた第一号のリツコは、 商品として売買されまして・・・現在手元には・・・・。」 ブルーガー 「売れてしまったのではしかたない。大事な資金源だ。 いまさら引き戻すことは出来ないからな。 すると今は2名・・・ということか。」 スワン 「そこの責任者は何をしていたのだっ! 売れる前になぜ引き止めんっ!」 ガイザー総帥 「まぁそういき立つな。 他の2名は上出来なんですね。 いいではありませんか、その二人と戦闘員十数名で自衛隊を襲わせれば。 二人をメインに宣伝し、強調すればいい。 人数が少ない方が効果があがりますから。」 ブルーガー 「小うるさいガキが邪魔に入っているようだが、そいつを先に始末しなくていいので?」 スワン 「そうだ、先に殺っちまう方がいいっ!」 ガイザー総帥 「どこに居るかわからんのだろう? それより商売が優先だ。 たまたま出くわしているのなら、後からでも始末すればいい。 スペック-3は最強だ。スペック-1のようには行くまいに。」 スワン 「それにしても、宣伝の会場が自衛隊駐屯地か・・・・面白い。」 ブルーガー 「あくまで催し物の会場ってだけだ。 実際にブローカーを集めるのは別の場所。駐屯地にカメラを仕込んで、 スペック-3の活躍する様を放映するのさ。 ワイン片手に。」 スワン 「おれはワインより戦場の方がいいっ!」 ブルーガー 「おまえはほんと血の気が多いやつだなぁ・・・・」 スワン 「うるさいっ 兄じゃに言われたくないっ!」 ガイザー総帥 「まぁまぁ。 ブルーガーには催し物の会場に行ってもらう。 念のため 遠方からの操作 も必要とあらば。 スワンは私と一緒にブローカー達と放映会場を頼む。 博士は最強スペック-3の量産に全力を注いで頂きます。」 ブルーガー スワン 『はっ。』 ニース博士 「かしこまりました。」 -つづく- (今、勝てなかったよ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年04月12日 15時41分09秒
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